【RWC2027】ワールドカップまで、あと2年。オーストラリアへのロードマップ。

2003年の第5回大会以来、24年ぶりにオーストラリアで開催されるラグビーW杯の開幕まで800日を切った。
新たなスタートとなる第11回大会は、出場チーム数が従来の20から24に増加することで、様々な変化が生じることになる。
これまでは予選プールの構成が5チーム×4プールであったが、本大会は4チーム×6プールになる。前回大会までは、チーム数が奇数であったため、プール内で同じ週に試合が組めないチームが生じることになり、試合間隔に不公平が出るという問題があった。
4チーム制では、同一プールの2試合は同じタイミングで実施できることになり、2週間の中で全チームが(ほとんど)同じ試合間隔で3試合を戦う日程となる。
決勝トーナメントに進出するチーム数も8から16に増える。各プールの上位2チーム(×6プール=12チーム)と、3位の中での成績上位4チームがノックアウトステージに進む。
トーナメント1回戦・ラウンド16から決勝までの試合数は4試合。予選プール終了後から1週間を空け、3週間の日程で組まれるスケジュールとなる。
これにより、参加チーム数は増えるが、大会全体の開催期間はこれまでより1週間短くなる。
2023年フランス大会の上位12チーム、つまり日本を含むプールステージで3位以上になったチームは、2027年大会の出場権をすでに獲得している。
残る12チームは各地域の予選プロセスを経て本大会出場を目指す。
予選地域の枠組みも再編された。
今回新設されたアジアの1枠は香港が勝ち取り、日本以外のアジア諸国が初めてW杯出場権を手にした。最後の1枠を争う最終予選は11月8日〜18日にドバイで開催され、今年中に予選を通過してオーストラリアへの切符を手にする全12チームが確定する。
本大会の予選プール組分け抽選会は今年12月におこなわれる。全出場チームが決定してから組分けが決まるのは、W杯史上初めてのことだ。
全24チームを世界ランキングの順にプール数と同じ6チームごとの”バンド”に分類し、4つのバンドから1チームずつを振り分けることでプールの組分けが決まる。
2025年末時点での世界ランキングが、2年後の本大会の予選プールのポジション、そして最終成績を大きく左右するだろう。
日本は第2グループの12位以上を現実的な目標として、今年のテストマッチを戦うことになる(9月1日時点で13位)。
レースはすでに始まっている。
【12チームの予選プロセス】
■ヨーロッパ(4)
ジョージア、スペイン、ルーマニア、ポルトガル
*ラグビーヨーロッパチャンピオンシップ2025上位4チーム
■アジア(1)
香港
*アジアラグビーチャンピオンシップ2025優勝チーム
■アフリカ(1)
ジンバブエ
*ラグビーアフリカカップ2025優勝チーム
■南アメリカ(1)
ウルグアイ
*南米ラグビーチャンピオンシップ2025優勝チーム
■パシフィック(3):9月14日 決定
トンガ、カナダ
*パシフィックネーションズカップ(PNC)2025上位3チーム(すでに出場権を獲得している日本とフィジーを除く)
■南アメリカ/パシフィック プレーオフ(1):9月20、27日 開催
*南米ラグビーチャンピオンシップ2025準優勝チーム:チリとPNC2025 6位チームの対戦
■最終予選(1):11月8日〜18日 開催
*下記4チームによる総当たり戦で順位を決定する
①アフリカ/アジアプレーオフの勝者(ラグビーアフリカチャンピオンシップ2025準優勝チーム:ナミビア 対 アジアラグビーチャンピオンシップ準優勝チーム:UAE)
②ラグビーヨーロッパチャンピオンシップ2025 5位:ベルギー
③南米ラグビーチャンピオンシップ2025 3位(10月18日 決定 ブラジルorパラグアイ)
④南アメリカ/パシフィックプレーオフの敗者
【出場チーム】
下記RWC2023上位12チームはすでに出場権を獲得
南アフリカ、ニュージーランド、イングランド、アルゼンチン、フランス、アイルランド、フィジー、ウエールズ、日本、オーストラリア、スコットランド、イタリア
【大会フォーマット】
■開催期間
10月1日(金)〜11月13日(土)[35日間]
*従来の7週間から6週間に短縮される。総試合数は52
■予選プール
4チーム×6プール
*上位16チーム(各プール1・2位=12チーム、3位チームの中の上位4チーム)が決勝トーナメントに進出する
■決勝トーナメント
ラウンド16、準々決勝、準決勝、3位決定戦、決勝
■開催都市
アデレード、ブリスベン、メルボルン、ニューカッスル、パース、シドニー、タウンズビル
*開幕戦はパース、準決勝以降の4試合はシドニーで開催
■プール組分け抽選会
2025年12月開催予定
*抽選会時点の世界ランキング順に6チームごとのバンドで分類し、4バンドから1チームずつプールのチームを決める(開催国オーストラリアは第1バンドに入る見込み)
※ラグビーマガジン9月号(7月25日発売)の記事をアップデート・再編集し掲載。