国情報
ニュージーランド
首 都 | ウェリントン |
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面 積 | 27万k㎡ |
人 口 | 495万人 |
登録選手数 | 15万727人 |
言 語 | 英語、マオリ語 |
国 歌 | God Defend New Zealand(マオリ語:Aotearoa) |
有名物 | キーウィ(国鳥) |
有名人 | ピーター・ジャクソン(映画監督/代表作『ロード・オブ・ザ・リング』で歴史的世界ヒット) |
人気他競技 | クリケット、ヨット |
愛 称 | オールブラックス |
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エンブレム | シルバー・ファーン(銀のシダ) |
世界ランキング | 3位 (90.09) |
ラグビー協会創立 | 1892年 |
公式HP | https://www.allblacks.com/ |
国民の期待背負うラグビー王国のヒーロー“オールブラックス”
ニュージーランド人にとってラグビーは文化であり、宗教であり、かけがえのないもの。
男子15人制代表チームは「オールブラックス」の愛称で親しまれている。上下真っ黒のジャージーに身を包んだ勇姿を見て、そう呼んだ者もいるだろう。しかし、ニュージーランド代表の愛称については洒落た話がひとつある。
1905年10月11日、イギリスでのこと。ニュージーランド代表は圧倒的強さで地元のクラブチームに大勝した。その猛者たちは走りに走り、誰ひとりとして疲れを知らない。パワー的要素を求められた重量級のフォワード選手までが、走力を求められるバックス選手並に素早いのだ。
「まるで全員がバックスのようだ!」
試合を観ていた新聞記者はそう叫び、大見出しの名文は決まった。しかしこの記者、興奮で手が震えたか、あるいは印刷ミスか、「ALL BACKS」とネーミングするつもりが、「L」を余分に足し、「ALL BLACKS」とやってしまったのだ。伝説の誕生である。驚異のラグビーをするニュージーランド代表は当然注目を集め、大誤植の新聞を片手に、「オールブラックスを観に行こう!」という声は瞬く間に広まった……という説も。
オールブラックスの魅力のひとつに、試合前のパフォーマンスが挙げられる。選手たちは勇敢なるマオリ戦士の魂を受け継ぎ、戦いへの雄叫びを上げ、狂おしく躍るのだ。その名は“ハカ”。
ハカの起源は定かではないが、1884年、ニュージーランド代表が初めて海外遠征した際にハカを披露したいう説もある。当然、ハカは白人選手も行うが、伝統的にマオリの血を引く選手がリードする。
披露されるハカは2種類あり、「カ・マテ(Ka Mate)」は1905年の“オリジナル”オールブラックスもパフォーマンスをした伝統的かつ国内外に広く知られているハカだ。日常生活にマオリ文化が根付くキーウィ(ニュージーランド人)の多くは身体がカ・マテを覚えている。もう一つの「カパ・オ・パンゴ(Kapa O Pango)」は、2005年の南アフリカ戦で初めて披露されたハカだ。マオリ語の意味は“黒衣のチーム”。まさにオールブラックスを象徴する無形文化遺産と言える。
ニュージーランド代表が最初に国際試合を行ったのは1903年。その後120年以上の歴史で世界中すべての相手に勝ち越し、テストマッチの通算勝率は76.7%を超える。この驚異的な数字を誇るオールブラックスだが、1987年の第1回大会での優勝以降、ワールドカップでは涙をのむことも多かった。しかし自国で開催された2011年大会で24年ぶりに栄冠を取り戻し、2015年イングランド大会で史上初の連覇を達成した。
3連覇を目指し臨んだ2019年日本大会では、準決勝で名将エディー・ジョーンズ率いるイングランドに敗北。しかし3位決定戦ではウェールズを圧倒し、ラグビー王国のプライドを見せた。
2023年フランス大会での前評判は決して高くなく、大会開幕戦のプールステージではフランスに敗戦。しかし準々決勝でアイルランド、準決勝でアルゼンチンを破り決勝に進出。長年のライバル、南アフリカ“スプリングボクス”と対戦するも1点差で敗れ、4度目の頂点とはならなかった。
女子ラグビーも盛んであり、「ブラックファーンズ」の愛称を持つ女子代表は2017、2021年のワールドカップを連覇。通算6度目で世界最多のチャンピオンとして君臨している。
7人制ラグビーも世界トップクラスで、ワールドカップセブンズ、ワールドラグビーセブンズシリーズでは男女とも最多優勝を記録。2020年の東京五輪では男子は銀メダル、女子は金メダルに輝く。2024年のパリでは男女とも金メダルを狙う。