各国代表 2021.02.28
フランスラグビー徒然。Février(2月) アイルランド戦勝利の歓喜から一転。クラスター発生の詳細とスコットランド戦中止

フランスラグビー徒然。Février(2月) アイルランド戦勝利の歓喜から一転。クラスター発生の詳細とスコットランド戦中止

[ 福本美由紀 ]

 また、これだけの感染者を出したことで、参加を許可した政府からの信頼や、選手を送り出しているクラブチームからの信頼も、今まで通りではなくなっただろう。最初に感染者が出た後のマネージメントが疑問視されている。

 ガルティエ監督とイバネスGMが代表チームを指揮するようになってから、メディアにもファンにも開かれた代表チームをアピールしてきた。だが、今回の一連の経緯は、代表チームのコミュニケーションがあまりにも不器用で透明性、信憑性、そして誠意に欠けている。

 前節のアイルランド戦のテレビ中継のフランス国内での視聴者は約600万人、視聴率37.3%を記録している。これだけの人が代表チームの熱戦を観て、これからのガルティエ・ブルーのさらなる活躍に期待を膨らませたが、その期待も裏切ったことになる。せっかく人気を取り戻したところなのに…。

 さらに懸念されるのが、選手とガルティエ監督の信頼関係だ。ガルティエ監督は、とても厳しく、選手に多くを求めることで知られている。今の代表チームにいる選手は、真面目で意欲的、向上心も熱意もあり、言われたことを素直に聞く。「チームのルールを守ります」という誓約書にサインもしている。だが、もし監督が外出したことが原因で、安全なはずのバブル内にウイルスが持ち込まれて感染拡大したとしたら、どういう気持ちになるだろう。常に感染リスクがあることは覚悟していたとしても、ルールを守らない人間、しかもそれが模範を示すべきトップのために、自分だけではなく、家族も危険にさらしたことになる。複雑な心境だろう。

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