ラグビーW杯が日本にもたらしたもの 経済効果分析&大会成果分析レポート
<大会運営とボランティア>
■実施試合数:45試合(3試合が台風のため中止)
2019年9月20日に開幕したRWC2019は 11月2日に閉幕するまで45試合が行われた。大会運営を担ったRWC2019組織委員会は、主催者であるワールドラグビーやラグビーワールドカップリミテッド、開催地となった自治体や関係省庁、団体などと一丸となって運営業務にあたり、安全・安心の大会を実現することができた。期間中、超大型台風の日本上陸によりやむを得ず3試合が中止となったが、選手や観客、全てのスタッフを大規模災害から守ることができたのは、危機対応プロセスが機能した証左と考えられる。
■テロ・雑踏事故:0ゼロ
大会期間中は世界中から170万人を超える多くの人々がスタジアムを訪れる中、会場でのテロ行為や混雑による雑踏事故ゼロを達成することができた。また、近年ではサイバーセキュリティに関するリスクも高まっており、RWC2019においても大会期間中にサーバーやネットワーク機器に障害をもたらす可能性のあるDDoS攻撃が12回検知されたが、ネットワークの遮断などの対処を行って実害を防ぎ、スタジアムだけでなく、サイバー空間においても安心・安全の大会運営がなされた。
■ボランティア登録者:約13,000人
RWC2019の大会公式ボランティアは、当初1万人とされていた採用予定人数に対してラグビーワールドカップ史上最多となる3万8,000人を超える応募が寄せられた。抽選・選考を経てボランティアスタッフとして登録されたのはおよそ1万3,000人で、スタジアムでの運営サポート、最寄り駅や空港での観客誘導などに尽力した。来場したゲストに明るく声をかけ、スマートフォンでの記念撮影に笑顔で応じるスタッフの姿は、国内外の観戦客に日本のおもてなしの心を強く印象づけた。大会期間中のSNSにおいても、ボランティアスタッフに言及する投稿が数多く行われ、日本の魅力と人々の温かさに感動した人々の声があふれた。