コラム 2026.06.06
【コラム】リーグワン2025-26余話

【コラム】リーグワン2025-26余話

[ 明石尚之 ]
プレーオフでは負傷者の穴を埋める(撮影:舛元清香)

常に日本は戻りたい場所だった。

 逆輸入とは言えないが、幼少期ぶりに日本に戻ってきたのがクボタスピアーズ船橋・東京ベイのLO、アキラ・イエレミアだ。

 両親は日本人ではないものの、生まれが東京・府中のために日本代表の出場資格を持つ。来季のカテゴリ変更の煽りも受けない(A1でプレー可)。

 ニュージーランドとサモアの代表選手として活躍した、アラマ・イエレミアを父に持つ。
 アラマはかつてサントリーサンゴリアスでプレー。その時期にアキラは生まれた。父は引退後もサントリーでコーチを続けていたから、アキラも5歳まで日本で暮らした。

「サントリーのグラウンドで父と一緒に遊んだことは覚えています。当時の外国人選手のお世話をしてくれた方がアキラさんだったそうです。その名前をもらいました」

 あれから15年以上が経ち、CTBだった父の身長を超える。194センチ、116キロと立派な体躯を誇るプロラグビー選手となった。

 2022年にはNPCのウェリントン・ライオンズに入団。その2年後に、紙森陽太と加藤一希が期限付きでチームに加わった。

「二人のおかげでスピアーズと繋がりができ、自分のことを知ってもらえました。もともと海外でプレーしたいとずっと思っていましたし、常に日本に戻りたい気持ちもありました」

 移籍1年目こそ1試合18分間の出場に留まったが、今季はレギュラーシーズン15試合に出場(先発7)、プレータイムは652分と飛躍を遂げた。
 プレーオフでは負傷したルアン・ボタに代わって準決勝は先発に抜擢。決勝はタイラー・ポールが背負い続けた背番号6でピッチに立つ。

「プレシーズンでライオンズに戻り、試合を重ねられたことで自信がついた。試合のプレッシャーの中でスキルを出すことができました。チームメイトからの自分への信頼度も変わったと思います。積極的に喋るようになり、自我をもっと出すことを意識しました」

 FWながら高いハンドリングスキルを魅せる。各国で代表コーチを担う父とのボール遊びで培った。
 巨躯を生かしたボールキャリー、ラインアウトのジャンプも強みだ。

 スピアーズではルアン・ボタ、デーヴィッド・ブルブリングのツインタワーから多くを学ぶ。
「ラインアウトマスターとして自分を支え、いろんなことを教えてくれました」

 まだ24歳。活躍を続ければ、代表の2文字も見えてくる。
「呼んでくれるのであれば、絶対に出たいです」

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