【TRC現地リポート】NZ代表“オールブラックス”が南アフリカに勝利。イーデンパークでの無敗記録を51試合に伸ばす。

■ザ・ラグビーチャンピオンシップ2025
・9月6日@イーデンパーク(オークランド)
【ニュージーランド 24-17 南アフリカ】
南半球4カ国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」
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南半球4か国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ(TRC)」第3節、世界ランキング首位ニュージーランド代表“オールブラックス”と同2位の南アフリカ代表“スプリングボクス”の頂上決戦がオークランドでおこなわれた。試合会場のイーデンパークで、オールブラックスは1994年以来、テストマッチで50戦連続無敗の記録を継続している。
キックオフから気合いがみなぎるNZは前半2分、SOボーデン・バレットが放った右サイドへのキックパスをWTBエモニ・ナラワがキャッチすると、そのままトライ。CTBジョーディー・バレットのコンバージョンも決まり、7点を先制する。
直後に大雨が降り注ぎ、WTBナラワが負傷交替するなどアクシデントが起きる中でもNZが試合を優位に進めていく。17分にSOボーデン・バレットが50:22キックを成功させてチャンスを生み出すと、そのラインアウトからボールを受けたWTBウィル・ジョーダンが守備網を突破しトライゾーン中央にグラウンディング。FBに入ったダミアン・マッケンジーが難なくPGを通してリードを14点に広げた。
一方の南アフリカは何度か攻め込む機会を作るも、トライラインを越えることはできず。得点は23分のSOハンドレ・ポラードのPG1本にとどまり、14-3のNZリードで前半を折り返した。
後半、NZは11分のPGを決めて以降、自陣での戦いを強いられる。圧力をかける南アフリカは22mライン内に侵入し、スローフォワードのミスを犯してNZボールのスクラムとなるも、ここでターンオーバー。22分にHOマルコム・マークスが左中間を押し込むトライを決めて7点差に迫った。(10-17)
NZは直後のリスタートから仕掛ける。ペナルティからトライ狙いのタッチキックを蹴ると、連続アタックで南アフリカのNO8クワッガ・スミスのイエローカードを誘発しながら、27分に途中出場のCTBクイン・トゥパエアがポールの右にトライ(G)をマークした。(24-10)
諦めない南アフリカは34分、NZのキャリーバックから得たセンタースクラムのチャンスから、左へ抜けたSHコーバス・ライナーがトライ。1T1Gで追いつく点差に迫った。
終盤、なんとか勝利をつかみたいNZがプレッシャーに耐える中、この試合で100キャップのバイスキャプテン、FLサベアがスティールに成功するとスタジアムに「アーディ」コールが巻き起こる。以降もターンオーバーが生じる緊張感あふれる展開を勝ち切ったNZが24-17で歴史的な一戦で白星を手にした。この勝利で、オールブラックスのイーデンパーク無敗記録は51試合に伸びた。
試合後、この日の“主役”アーディ・サベアはセンチュリオンとして迎えた一戦について「この機会で家族や親友たちが集ってくれたことが、ただうれしいです。特別な時間でした」と感情を表現した。
試合展開とチームのパフォーマンスに関しては「空中戦、ハイボールの対策を話し合っていましたし、スプリングボクスがセットピースとフィジカルで挑んでくるのは分かっていました。そこはかなり抑えることができたと思いますし、満足しています」と振り返った。
NZは勝利の勝ち点4を重ね、TRC第3節終了時点で首位をキープした(2勝1敗・勝ち点10)。一方敗れた南アフリカは7点差以内のボーナスポイント1点を加え、アルゼンチンと同じ戦績、得失点差で3位につける(1勝2敗・勝ち点5)。両チームは13日の第4節でウェリントンに場所を移し、再び激突する。