【TRC】オーストラリアがアルゼンチン相手に劇的逆転勝利。「観客が勝ちに行け!と声援をくれた」とキャプテン

■ザ・ラグビーチャンピオンシップ2025
・9月6日@クイーンズランド・カントリー・バンク・スタジアム(タウンズビル)
【オーストラリア 28-24 アルゼンチン】
南半球4カ国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」
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南半球4か国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ(TRC)」は第3節を迎えた。
南アフリカに1勝1敗で五分に渡り合ったオーストラリア。
一方で、初めてホームでニュージーランドを破り、こちらも1勝1敗で終えたアルゼンチン。
この両者が9月6日にタウンズビルでぶつかり、ホームのオーストラリアが劇的な逆転勝利を収めた。
前半はアルゼンチンが14点のリードを奪った。
4分、11分とSOサンティアゴ・カレーラスのPGで先行する。11分のPGは左中間、48メートルの距離から見事に沈めた。
22分にはペナルティから自陣深くでのディフェンスを強いられ、SHニック・ホワイトにラック脇を突破される。
6-7と逆転されたが、前半の失点はこれだけに抑えた。
28分、32分と自陣のスクラムから鮮やかなアタックでトライを挙げる。いずれもノーラックで繋ぎ切った。
1本目は右サイドを崩し、CTBサンティアゴ・チョコバレスのラインブレイクからWTBバウティスタ・デルギーが、2本目は細かくBKでパスを回して左に展開、最後はWTBマテオ・カレーラスがトライラインを越えた。
35分にもSOカレーラスの3本目のPGでリードを広げ、21-7でハーフタイムを迎えた。
しかし、後半は様相が変わる。ワラビーズが6分、ハイパントの再獲得を起点に敵陣22メートル内に侵入。近場を粘り強く攻め続け、最後はCTBレン・イキタウのオフロードを受けたCTBジョセフ=アウクソ・スアリイがトライゾーンに入った。
7点差とした後はアルゼンチンが長い時間、敵陣でボールを持つも、フィニッシュには至らず。さらにWTBカレーラスがシンビンとなり、その間にワラビーズは攻め込む。
22分、ゴール前のラインアウトから細かくパスを繋ぎ、スアリイが一人を振り切って2トライ目を挙げた。
ゴールも決まって21-21。同点に追いつくと、なおも勢いは増した。
しかし、落球が重なり、集中力を欠いた時間が続く。
39分にはアルゼンチンに中盤エリアで10フェーズを重ねられ、反則を犯すを37メートルPGをFBファン・クルス・マリアが決められた。
21-24。またもリードを許したが、諦めずに最後のアタックを展開した。
80分を越えてから2度のPK(いずれもPGを狙える距離)を得たが、いずれもタップを選択。あくまで勝利を目指した。
最後はピック&ゴーからPRアンガス・ベルがねじ込む。28-24。歓喜の逆転の瞬間は、45分を超えていた。
キャプテンのNO8ハリー・ウィルソンは最後の判断について、「勝ちたいという気持ちがあったし、2万5000人の観客が『タップして勝ちに行け!』と声援をくれた。それが最後の決断に影響した」と振り返った。
ジョー・シュミットHCも会見で安堵の表情を浮かべ、「相手も警告を受けていたし、われわれがやり切れば結果は出る。キャプテンを信じていた。幸いアンガス・ベルがトライを取ってくれたが、そこに至るまでが大変な仕事だった」とハリー・ウィルソンらを労った。