天理大学特集! 2年前の決勝で「敗戦を新しい力に」(後編)
1月11日、大学選手権決勝で早大を破り、初の日本一になった天理大。3度目の決勝で悲願の快挙だった。2年前の決勝では明大に敗れている。決勝が行われた2019年1月12日の翌日、当時の4年生FWで座談会を開いた。(後編)
ラグビーマガジン2019年3月号掲載(1月13日インタビュー)
文◎森本優子
天理大[4年生FW]座談会
Play back 4 years.
【メンバー】
HO島根一磨[主将・天理、現パナソニック]
LO由良祥一[FWリーダー・大産大附、現豊田自動織機]
FL佐藤慶[天理、現栗田工業]
NO8ファウルア・マキシ[日本航空石川、現クボタ]
PR加藤滉紫[専大松戸、現マツダ]
――最後まで走力が衰えませんが、そこにも秘密はありますか。
島根 トレーニング期間は階段を走ったりしました。グラウンドの横にダムがあるんですが、そこに急な階段が二つと、坂があるんです。
由良 めちゃくちゃ長い。
島根 階段ダッシュとおんぶして上がるのと、坂道ダッシュ。
マキシ 走る階段は長くて、おんぶの階段は少し短い。15分サイクルで3つをやる。
島根 名物です(笑)。
加藤 朝起きて歯を磨いて、バナナ食べたら(笑)。
マキシ 次の日、足がやばい。合宿所の4階の部屋まで上がれない。
佐藤 僕は2階なので楽だった。
――おんぶする相手は。
島根 体重が同じくらいの選手とやるんです。毎日やるから、大体一緒。
加藤 BKは軽いから、早く終わる。僕らは重い同士でやってるから、どんどん遅くなって。FWは不利です(笑)。
――マキシ選手が組んだのは。
マキシ 今年はジョネ(ケレビ)。終わった後「足、感覚ない」って言ってた。
島根 坂スタート、階段スタート、おんぶスタートと3グループに分かれてやるから、最後の追い込まれた状態で、おんぶをやるのはきつい。
マキシ 最初がおんぶスタートだったら、みんな「よっしゃっ!」って喜ぶ(笑)。
――それがあるからみんな走れる。
島根 あとはバックロー出身が多いこともあります。ここにいるのも、みんなバックロー。
マキシ 小鍜治も高校時代はLO。
加藤 僕は高校時代NO8で、天理でも1年までNO8やってた。
マキシ ほんと?
由良 夏合宿では下のチームでトライ王になりかけてた。
加藤 ルアもいるからNO8は無理かなと。アタックも下のチームでしか通用しなかった。PRやってみたらいける感覚があったので、やるなら早いほうがいいと思って。
由良 僕もFLでしたけど、大学に入ったら人数が多すぎた。1年のとき、スクラム組む時にLOがいなくて、「じゃ、僕LO入ります」と言ったら、それからLOになった。そのおかげで1年生から試合に出るチャンスをもらえた。