日本代表
2020.09.14
【再録・ジャパン_08】 徳永祥尭[2019年4月号/解体心書]
前半19分でケガ人などの事情から途中出場。このシーズン初出場のポジションは、なんとWTBだった。試合には敗れたが、キックの処理なども無難にこなし、公式戦では経験ゼロのポジションを務め切った。
スーパーラグビー・デビューの前年(2017)は出場6試合。このシーズンは主にFLとして11の出場機会を得て、チームが挙げた3勝のすべてに貢献(途中出場2、先発1)。百戦錬磨の海外選手が多いメンバーの中で信頼を勝ち取った。
「U20もセブンズも、代表チームは全部、追加招集なんです。サンウルブズも、1年目は、(前年度)トップリーグの終盤に話があったので、何かの調整で滑り込んだはず。こうして呼ばれるのも、きっと今だけだろう――いつもそういう感覚で臨んでいました」
一瞬のチャンスをつかんでステップアップし、2019、自国開催のジャパンに手が届くところまで来たのは、身体能力だけでなくその発想の柔軟さからだ。ステージが上がるたびに選手としての自分をリニューアル。自ら築き上げ、周囲からも認めれられたスタイルにこだわらず、目線は常に次へ向かった。
その成長体質、そして勝負強さはどこからきたのか。
熱さと潔さが入り混じるトクナガヨシタカのレシピをほんの一部だけ公開してもらった。
◎
「その幼稚園で初めてケンカした子が、僕をここまで連れてきたんです」
振り返るのは小学校入学のちょっと前の頃だ。