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2020.05.18
【再録ジャパン_01】リーチ マイケル [2008年10月号/解体心書]
「何ができるか考えたら一つしかなくて。先生や皆さんや山の手に恩返しする、気持ちを個人で形にできるのは高校ジャパンだなと」
花園には1年から3年連続で出場し、3年時は1回戦で萩工に敗れたが、夏の高校日本代表に選ばれた。喜んだのはもう先生や部員だけではなくなっていた。札幌から初めて、北海道からは遠藤幸祐(中標津出身。現・クルセイダーズANC)に続く二人目の選出だ。豪州遠征では、日本の、トップ選手の意識の高さにあらためて刺激を受けた。
進路は、教員免許の取れる大学から選んだ。「高校の時は日本語以外はあまり勉強しなかったけど」、東海大学体育学部では、周囲いわく文武両道の鑑の生活。いまは「日本国憲法」の単位取得に手を焼いている。
「昨年、東海は悔しい負け方をしているので、今年はどう勝つかを知っている。将来はできればトップリーグでプレーして、いつか札幌に戻って、山の手の監督に」。遠い将来の暮らしは、すでにイメージができている。NZの家族も背中を押してくれている。
一方、近い将来の目標はふらふらと揺れていた。マイケルには現在も三つの選択肢がある。