関東高校大会、流経大柏が國栃に逆転勝利ほか、1日目全14試合をリポート
Aブロック➀
東海大相模 15-14 國學院久我山
県大会で桐蔭学園と引き分け、抽選でAブロックを勝ち取った東海大相模がドラマチックな展開をものにした。相模は1分、キックチャージからFL高橋尚大③が先制トライ。4分にもモールで、幸先よく2トライを奪った。一方の國學院久我山はキックゲームに持ち込まれるも、SO袖山遼平ゲーム主将③が互角以上に対応。好機を作り出すまではいかなかったが、前半終了間際に再三のゲインを見せていたFB阿部太一③がトライを呼ぶ(7-12)。
後半も一進一退の攻防は続いたが、20分にようやくスコアが動く。久我山のWTB、中野竜之介②がインターセプトから値千金のトライ。Gも決まって14-12と逆転した。だが直後のキックオフでまさかのノックオン。その後のアタックでアドバンテージを得た相模は、22㍍線内右でPGを選択。野口柊③がこれを沈め、1点差勝利をものにした。
Aブロック②
流経大柏 22-20 國學院栃木
「事情が違った、気迫が違った」。敗れた國學院栃木の吉岡肇監督がライバルを称えた。後半の後半は、互いの意地がぶつかり合う死闘。この日一番となった熱戦は、流経大柏が僅差で制した。前回花園3回戦と同じカード、その戦いを乗り越えた國學院栃木は全国準優勝を成し遂げた。流経大柏にとっては前回の関東大会A決勝(1年前)でも敗れている相手だけに、ハングリーさでは上回った。前半は、SO伊藤龍之介主将③がタクト振る国栃が支配したゲーム。前半は国栃17-8流経大柏で折り返したが、そこからが勝負だった。「自陣からラグビーをやりすぎていた」(相亮太監督)という流経大柏は冷静に、気持ちを抑えて、後半はシンプルに前進。リスクを避け、まずは敵陣へ入るファイナル戦術に切り替えた。後半3分にPGで12点差とスコアを広げられるが、9分、15分のトライで逆転、流経22-20國栃に。終盤に向かって集中力を高め、最後は中盤でブレイダウンで削り合う肉弾戦となって、これを制した。敗れた国栃は試合後、言葉なく落胆を顕(あらわ)に。「Aブロックに推薦してもらってるんだから、落ち込んでいられない。次に向かわなくちゃ」(吉岡肇監督)。周囲のマークは常に厳しい。國學院栃木は強豪としての試練とも戦っている。
※大会の詳細リポート、ピックアッププレイヤーなどは6月25日発売の8月号にて掲載予定