国内 2022.05.06
帝京、明治、早稲田の学生新聞ラグビー番記者で座談会。各校の2022展望【関東大学春季交流大会 J SPORTSで配信中! 3校による試合は実況・解説付き!】

帝京、明治、早稲田の学生新聞ラグビー番記者で座談会。各校の2022展望【関東大学春季交流大会 J SPORTSで配信中! 3校による試合は実況・解説付き!】

[ 編集部 ]
早稲田スポーツの森田さん(左)と谷口さん(撮影:長岡洋幸)

――昨年は帝京が9連覇以来、4年ぶりの日本一となりました。臼井さんはこれまでとのチームの違いをどう感じられていましたか。

帝京・臼井 これまでの主将は落ち着いていて姿で見せるタイプが多かったけど、細木(康太郎/現東京SG)さんは声を出して、部員を盛り上げようとする姿勢が伝わりました。勝つオーラが出ていましたし、結果、昨年は春季大会の初戦(大東大戦)から全勝です。スクラムや攻守の切り替えで、前年度からの成長を感じていました。

――その帝京に決勝で惜しくも敗れてしまったのが明治でした。

明治・牛嶋 対抗戦で帝京と早稲田に敗れたときは、点差こそ開いてなかったですが得点を取れないという不安がありました(7-14、7-17)。しかも大学選手権で天理、早稲田、東海の厳しいブロックに入った。正直、今年は難しいかと思っていました。
 でも飯沼(蓮/SA浦安)主将は「負けてからどう成長するか」というのをすごく意識していた。早稲田とはこの年、春夏秋と3度戦ってすべて負けていたので、「早稲田に4回も負けられない」と選手たちがすごく燃えていました。飯沼主将がメンタルを変えたんだと思います。飯沼主将の番記者をした昨年は驚かされることばかりでした。たった2歳差でこんなにも考え方が違うのかと(笑)。

――早稲田は対抗戦の早明戦では勝ちましたが、大学選手権でリベンジされる格好になりました。

早稲田・森田 スクラムがどうしても劣勢で、スクラムの重要性を再認識した1年でした。今年はフロントローのメンバーも変わります。大田尾(竜彦)監督からは、フィジカル強化を図っていると聞きました。「FW8人の合計体重が帝京や明治、東海は800㌔台で、早稲田だけが800㌔を切っていた。特に東海は870㌔ほどあったので、成人男性1人分くらいの差になる。体重=パワーという訳ではないが、フィジカルの強化は必要」と。

帝京大の主軸。3年のHO江良颯(左)とNO8奥井章仁(撮影:松本かおり)

――帝京は細木主将こそ抜けますが、今年もタレントは揃っている印象です。岩出雅之監督が退任され、相馬朋和新監督を迎えての最初のシーズンでもあります。

帝京・臼井 偉大な監督が抜けてプレッシャーのかかるシーズンだとは思いますが、相馬監督は昨年からチームを見ていますし、どの学年にもキーマンが残っていて選手層も厚い。4年生では高本(幹也/SO)が昨年の日本一に大きく貢献していた。3年生には江良(颯)、奥井(章大)の大阪桐蔭コンビ、2年生にも青木(恵斗/FL)、本橋(拓馬/LO)がいる。松山(千大)主将は「80分間タフな試合ができるように、ラグビー以外の小さいことでもタフに粘り強く取り組んでいきたい」と話していました。

――早明からは今年の帝京をどう見ていますか?

早稲田・森田 今年も江良と奥井がいるのはちょっと嫌ですね(笑)。

明治・豊澤 明治もFWが強いチームですが、昨年はそこで負けてしまった。大賀(宗志/PR)さんは負けた瞬間、悔しいよりも先にスクラムでリベンジしたいと思ったそうです。咋年のFWは下級生も多くいたので、戦えるメンバーは揃っていると思います。

明治・牛嶋 決勝で帝京に負けたとき、新主将の石田(吉平/FB)選手と紀伊(遼平)選手が電光掲示板を眺めているシーンが印象的でした。「来年このスコアを絶対忘れないようにしよう」と話していたそうです。飯沼組の強さでもありましたが、明治の強さはリベンジするメンタルだと思ってます。今年こそと燃えているはずです。

26年間率いた岩出雅之監督の後任には相馬朋和氏が就いた(撮影:山口高明)

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