日本代表
2020.06.29
【再録・ジャパン_05】福岡堅樹[2013年4月号/解体心書]
「あの試合、WTBを誰にするかとなったとき、自分には安定感が足りなかったと思います。スタメンが山下一で、リザーブが高橋謙介さん。試合を見ていても、納得の人選でした。一か八かなら自分の起用もあったかもしれませんが、あの試合を見ていたら、自分はスタミナもない、ディフェンスの確実性も足りない。あの場に立って何ができたかと考えると、無力だったんだろうな、と」
自身を見つめ直す機会になった。
そんな時間を経て掴んだ大学ファイナルの左WTBの座。最高の舞台で、最強の相手と戦って見つけた、新たな目標がある。
「帝京は本当に強かった。プロのチームと戦っているように感じました。でも、大きな目標に向かってやるのはきついことが多いけど、自分は楽しく感じることができる。本当にそこで勝てたときの喜びは、凄く大きいものがあるんだろうな、と」
自身を「ポジティブ」と評す。
「大舞台も楽しめる方ですね。この間の国立での決勝のときも、最初はすごく緊張していたんですよ。でもピッチに立って周りを見渡した。あー、お客さんがたくさんいるなあと思ったら、思ったんです。ここにいるみんなを沸かせられたら気持ちいいだろうな、と(笑)。楽しかった。気持ちよかった」
ルーキーイヤーに最高の舞台も踏んで、いま、あらためてラグビーをやり切る気持ちが強まった。