日本代表 2020.06.29
【再録・ジャパン_05】福岡堅樹[2013年4月号/解体心書]

【再録・ジャパン_05】福岡堅樹[2013年4月号/解体心書]

[ 編集部 ]

「自陣のインゴールあたりから攻め始めたんです。一度味方がノックオンをしたけど、相手がそれを拾って前に出てくれたのでアドバンテージオーバーになった。それをジャッカルしたこところから、福高が繋いで、繋いで、少しずつ前に出て、最終的に自分のところに回ってきた。外にスワープを切って、2人ぐらいを振り切った。ブラインドから帰ってきたWTBにタックルされて…僕、タッチラインを踏んじゃったんです。でもそれがハイタックルで認定トライになった。『タッチ』と言われた瞬間は真っ白になったけど、自分の中では絶対先に(インゴールに)置いた確信があったんです(笑)」

 2回戦の大阪朝高戦では完敗したけど、高校時代の記憶はシアワセだ。

 1度目の受験で失敗した後は、地元・福岡で予備校に通い、高校時代の何倍も勉強をした。

 志望していた医学部ではなかったが、思いが叶って始まった筑波大でのラグビー部生活。浪人生活の影響もあって、なかなか本来の感覚は戻らなかった。

 ようやく体のキレが戻ってきたのは、夏を越えてからだ。

「公式戦が始まって、最初はBチームの試合に出してもらっていたんです。その中で少しずつ感覚が戻っていったんですけど、やっぱり自分の中で一番変わったと思うのは日体大戦です(11月24日/78―0/11番で出場)。初の対抗戦出場で、いい感じで走れた」

 しかし、それではまだ、筑波ラグビーに完全にフィットし切れているとは言えなかった。12月1日、先輩たちが帝京大を撃破した一戦はスタンドからの観戦。

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