日本代表 2025.10.25

【日本代表】ディフェンス力、向上のわけ。エディー・ジョーンズHC&ワーナー・ディアンズ主将が語る。

[ 編集部 ]
【日本代表】ディフェンス力、向上のわけ。エディー・ジョーンズHC&ワーナー・ディアンズ主将が語る。
記者会見に臨むワーナー・ディアンズ主将(左)とエディー・ジョーンズHC(撮影:イワモトアキト)

 日本代表は10月25日、国立競技場でオーストラリア代表”ワラビーズ”と戦い、15-19で惜敗した。

 ワラビーズとは7度目の対戦で、最少失点を記録。4点差も過去最少だった(2021年時は23-32)。

 パシフィックネーションズカップでの課題だった自陣ゴール前での攻防など、ディフェンスが大幅に改善された。

 ここでは試合後におこなわれたエディー・ジョーンズHC、ゲームキャプテンのLOワーナー・ディアンズ両名の記者会見の言葉から、ディフェンス力向上のわけを紐解く。

――試合を終えて、エディーからまずひと言。

 ………….残念です。残念です。

 残念な結果でした。どこが残念かというと、前半30分までベストな状態のジャパンを見せることができなかったことです。

 シンプルなことをしっかりとやる、ということに非常に苦戦していました。
 緊張もあったと思うし、オーストラリアがボールに対してプレッシャーをかけてきた。それは卓越していました。

 ボールを速く動かしたい気持ちがあるから、ネガティブな状況、つまりラインアウトからの一つ目、二つ目のラックでクリーンに出ていないのにも関わらず、無理にボールを動かそうとしてアタックの効力を失ってしまいました。

 ただ、後半はコンテストボールにしっかり競り、奪取し、アンストラクチャーからジャパンらしいプレーができました。

 ファイトをし続けられた、失速しなかったことは本当に嬉しく思っています。闘争心は間違いなく成長しています。
 勝てるところまで持っていけたのに力不足で勝ち切れなかったことは残念ですが、この若いチームにとって非常にポジティブな収穫があった試合でした。

 今日は雨の中、そして寒い中で4万人以上のお客様に来ていただいて、応援していただき、素晴らしい雰囲気を作っていただいた。
 日本人のファンの皆様の歓声がどんどん大きくなっていると感じますし、いろんな応援の仕方をしていて、日本のファンのキャラづくりもできている。選手も間違いなく喜んでいると思います。

 次は南アフリカ戦に向けて集中していかなければいけません。
 後半で見せたような戦い方を80分間通しておこない、南アフリカを倒しにいきます。

 明日は休養を与え、明後日からの2日間はしっかりと練習をおこないます。
 その後、20時間のフライトでノースロンドンまで行き、世界の強豪、ベストチームに対して挑む準備をします。

――エディーに。一番評価できるところは。

 収穫は、間違いなく世界の強豪に対して戦えることを確信できたことです。
 特に後半は一つひとつの瞬間、1個1個のプレーでしっかりと戦い、いろんな局面で競ることができた。

 それは1年前のジャパンにはできなかったことです。若い選手たちを主体に作り上げているチームではあるが、間違いなく成長していると感じられました。

 もともとある戦術のプランを試合の中にどんどん発展させ、選手たちから作り上げていたことにも非常に感心しました。

――ワーナーに。前半はアタックでなかなか良いシチュエーションを作れませんでした。

 相手がすごくプレッシャーをかけてきて、自分たちはそれに対してクリーンアウトが上手くできなかった。

 ただ、あれだけプレッシャーをかけられて、あれだけ自陣でプレーして、2トライしか取られなかった。それが後半に向けてすごく自信になりました。

 2枚のイエローカードはありましたが、良いゴールラインディフェンスができて、クリアにイグジット(脱出)できた。
 後半からは自分たちが自信を持っているアタックのスピード、フィットネスを良い形で出せました。

――エディーに。パシフィックネーションズカップではゴール前でのディフェンスで簡単にスコアされるシーンが目立ちました。ディフェンスを改善できたわけは。

 (ディフェンス担当の)ギャリー・ゴールドがチームに入ってきたことが非常に大きいです。

 彼は頭がおかしくなるぐらい研究をする人です。
 木曜日には必ずアップルストアに行き、ゴーグルやイヤホンなど、いろんなテクノロジーを駆使して徹底的に研究するような人です。

 本当に素晴らしい仕事をしてくれていています。
 選手たちがワクワクした気持ちでディフェンスに打ち込むことができるのも、彼がいるからだと思います。

――ワーナーに。具体的にどんな準備をしてきた。

 水曜日の練習でしっかり体を当ててきました。5分くらいですが、レッドゾーンでのディフェンスをフルコンタクトでやります。

 今日はみんなが練習通りのことができて、しっかり前に出て、タックルして、相手を止められました。
 低く、速く、強くヒットして、相手のボールキャリアーに対して2人で入ってタックルできました。

――エディーに。2015年の時のように、翌週の南アフリカ戦での勝機は見えたか。

 2015年よりも良いチームですし、高いポテンシャルを秘めたチームだと思っています。

 もちろん、勝つつもりで挑みます。
 南アフリカに対しては、ディフェンスで思いっきり真っ向から前に出て間合いを詰めてプレッシャーをかければ、ミスをしてくれる。

 ウェンブリーで南アフリカに勝つことを想像すると、こんなに奮い立たされることはないと思わされます。
 勝つことができれば、間違いなく記憶に残るでしょう。それだけの偉業を成し遂げたいと選手たちも楽しみにしていると思います。

PICK UP