日本代表共同主将のリーダーシップ。原田衛が語る、プレーができなくてもできること。

ラグビー日本代表は渡米中。現地時間9月6日にはカリフォルニア州サクラメントのハート・ヘルス・パークで、パシフィック・ネーションズカップ(PNC)のアメリカ代表戦に挑む。
ゲーム主将はワーナー・ディアンズ。離日直前の8月30日に宮城・ユアテックスタジアム仙台で臨んだ大会初戦に続いて重責を担う。
まず、記念すべき一戦でカナダ代表を57-15で制した過程をこう振り返る。
「後半から自分たちのラグビーができるようになった。いいリーダーズグループがいるから、アタック、ディフェンスをそれぞれ(担当に)任せていいくらい。主将の仕事は簡単で、そんなにプレッシャーもなく、自分のプレーに集中できました」
話をしたのは同4日。オンラインで日本のメディアに応じた。次のアウェーゲームを展望した。
「自分のパフォーマンスで、できるだけチームに貢献できるようにしたいです」
23歳にして2列目のLOとして24キャップを獲得。身長211センチ、体重117キロのサイズとパワー、スピードを有し、19歳から代表活動に参加してきた。少年時代にプレーしたバスケットボールを含め、船頭役を務めるのは今回が初めてだ。
6、7月の代表主将でPNCへは個人的都合で不参加というリーチ マイケルに推され、共同主将となった。
相方は原田衛だ。リーチ、自身の在籍する東芝ブレイブルーパス東京に今年6月までいた26歳。身長175センチ、体重101キロのHOとして強烈なコンタクトを繰り返すうえ、21時には就寝とストイックさでも鳴らす。
現在はコンディション調整中で、大会中盤以降のトーナメント戦への復帰を目指す。何より、「メンバー外でもやることはある」。他のリーダーや近いポジション群のメンバーと意見をすり合わせる。
「あとは、準備の段階で(同じ位置で先発する江良)颯に話せること(助言)は、話しています」
何よりディアンズ曰く、「オフ・ザ・フィールドは、いまのところ(原田に)任せています」。遠征先での仕事について問われた本人は、ひとつの事例を挙げた。
「ハドル(円陣)を、きれいにする、とか」
トレーニングの合間などに仲間同士で輪を作る時、形と一体感に目を光らせるというのだ。組織内の連携強化を支える。無形の力を、重んじる。
「アメリカへ来て、環境が変わってきて、いつものことできないという状況でも、整理整頓をしたり、時間を守ったりといったことは、皆に共有するようにしています」
ゲームに出なくてもすることがある。得意分野でジャパンをよくする。