恒例!リーグワン時評座談会[プレーオフ直前編]いよいよポストシーズン。勝ち抜くのはどこか。【ラグビーマガジン6月号・再録】
中盤〜終盤戦を振り返り、上位勢の状況と印象に残ったチーム・選手を総チェック!
爆発力あるルーパス。サンゴリアスも虎視眈々。
――ブレイブルーパスも13節でプレーオフ進出を決めました。
向「戦い方とキャラクターがシンクロしてきた感覚は、一昨年あたりからあったと思います。そこにSOリッチー・モウンガとFLシャノン・フリゼルが加わったらより機能するようになったというのが、今のブレイブルーパスだと思います」
谷口「接点無双というのを2年前から掲げて、今まさにそういうチームになってきましたよね。ほとんどの相手に対してコンタクトで優位に立てる。さらにそこへモウンガのようなコントローラーが加わると、ここまで強くなるんだなという印象です。LOワーナー・ディアンズを筆頭に、若手もすごく成長している」
野村「ワーナーはまだ3シーズン目ですよね。それであれだけ活躍するのだからすごい」
向「トッド・ブラックアダーHCが就任してからS&Cの数値を国際基準に設定するようになったそうで、あるベテラン選手は『若い選手の地力が数年前とまったく違う』といっていました」
――ワイルドナイツとの差は、実際どれくらいあるのでしょう。
野村「HO原田衛のような若いリーダーが成長してきましたし、ここからさらにケミストリーが起こったら、という楽しみはありますよね。モウンガにフリゼル、リーチと幹はしっかりしているから、若い選手がもっと主体的に動けるようになったら、さらに伸びるかもしれない」
谷口「爆発力があるし、点は取れる。一気に先行する流れになれば、おもしろいと思います」
――サンゴリアスもトップ4圏内を維持してきました。
向「スティーラーズ戦に勝った試合(第12節/36-27)はディフェンスの役割を見直したそうで、危機を防ぐシーンが数多く見られました」
谷口「シーズン前にSH流大が、『今季は前に出られるキャリアーが少ないからみんなで戦わなければ』といっていたのですが、NO8タマティ・イオアネやCTBイザヤ・プニヴァイらゲインできる選手が出てきた。いいチームになってきたと感じます。それと、みんな本当によく走る。両WTBがエッジで仕事をした後、逆サイドまで走るんです。カラ走りに終わることもあるけど、走ることで数的優位が生まれる。あの運動量はすごいなと思います」
――プレーオフにピークを合わせてきそうな雰囲気も感じます。
向「優勝経験のあるチームなので」
野村「SO髙本幹也を我慢して使ってきて、最初は苦しんだけれどここにきて伸びてきた。以前のようなアグレッシブ・アタッキングラグビーとは違って焦点を絞ったラグビーをしている印象ですが、何か蓄えているというか、牙を研いでいる感じがします」
――SH流は、キャリアベストといえるほどの好調を維持しています。
谷口「元々うまかったけど、視野がさらに広がった。第13節のヒート戦(60-10)では、松島幸太朗が空いているのに、尾﨑晟也にトライ王の可能性があるからとそこまでパスをしてトライをさせていました。SHでは今、一番でしょう」
――第13節終了時点で4位のイーグルスはいかがですか。
向「SHファフ・デクラークとCTBジェシー・クリエルがケガでいなくなったのに、自分たちのラグビーをできる。ずっと鍛えてきたことがわかりますよね。沢木敬介監督は、『あの2人はゲームで何かあった時に正しいプレー選択をチームにさせられるレベルが高い。今は彼ら以外の選手でそれを養っている最中』という内容を話していました。2人がいなくなって最初のゲームとなった第6節のスティーラーズ戦で、27-31と接戦にできたことが大きかったと思います。自信をつけた上で、さらに悔しさも味わえた」
――得失点差は上位陣で一番少ない。
谷口「接戦をものにできるのは、やはりSO田村優の存在だと思います。さらに余裕が出てきたというか、サンゴリアス戦の最後の逆転PG(第11節/37-35)を蹴る前も笑顔で、あれを見て入るなと思いました」
――最後に測ったように逆転するまでの手綱さばきは見事でした。
向「変なトライの取られ方さえしなければ、絶対にひっくり返ると思っていたといっていました」
野村「SNSで武藤ゆらぎについて『向こう10年キヤノン、日本代表をリードする選手です。キヤノンで優勝、彼を日本でベストな10番にする。これ僕の最後の仕事』と書いていて、そんなことをいうようになったのか、と驚きました(笑)」