国内 2024.05.07
恒例!リーグワン時評座談会[プレーオフ直前編]いよいよポストシーズン。勝ち抜くのはどこか。【ラグビーマガジン6月号・再録】

恒例!リーグワン時評座談会[プレーオフ直前編]いよいよポストシーズン。勝ち抜くのはどこか。【ラグビーマガジン6月号・再録】

中盤〜終盤戦を振り返り、上位勢の状況と印象に残ったチーム・選手を総チェック!

[ 編集部 ]

ファイナルはワイルドナイツ×ルーパス!?

――個々で印象に残った選手は。

谷口「サンゴリアスのWTB尾﨑晟也。元々足が速くてトライを取れる選手ですが、それ以外の仕事量が増えました。本人もいっていましたが、チェスリン・コルビの影響が大きかったそうです。あの体であれくらいやるから、コルビより大きい自分は言い訳できないと。ブレイクダウンでの仕事量やボールを持つ回数が増えて、裏へのキックもうまくなった」

野村「ベタですけど、モウンガ。強いチームのSOって、エグジット(自陣からの脱出)がすごくうまい。だから自陣でプレーしていても、彼にボールを預ければ安心、となる。タッチキックの距離、ボールの配し方など、すべてが適切だと感じます」

――自陣だからとあわてて蹴り出すようなところがない。

野村「よく海外の選手が日本のラグビーはテンポが早くておもしろいといいますが、モウンガは『少し早すぎる。落ち着かせるところは落ち着かせないと、このリーグは発展していかない』といっていました。そういうこともちゃんといえるところが、彼の真面目さを表している。いい選手だし、いい人間なんだなと」

「私はFLラクラン・ボーシェーとLOリアム・ミッチェル。ワイルドナイツのディフェンスは組織として機能するのですが、そのシステムの中でいいタックルをしている人、いいジャッカルをしている人といえばこの2人かなと思います。あとはブレイブルーパスのHO原田衛。コンタクトが強くて、走力がある。リーチに聞いたら、『セットプレーも強いからヨーロッパで通用する』といっていました」

谷口「今季はHOがいいですよね。サンゴリアスの堀越康介もいいし、ワイルドナイツの坂手淳史もいい」

――私はワーナー。ジャパンのキャプテンになってほしいと思っています。みなさんの「ぜひこの人をジャパンに」という選手は。

「スピアーズのSH藤原忍です。ディフェンスで必ずいいところにいるし、アタックでも相手が嫌がることをできる。フラン・ルディケHCに『9番は王様のようにプレーしなさい』といわれて、それを意識しているそうです」

谷口「藤原は性格もテストマッチ向きだと感じます。人を食ったようなところが、田中史朗に似ている。私のお勧めは尾﨑晟也とブレイブルーパスのSH杉山優平。地味なところだと、ワイルドナイツのFL大西樹も体の強さがある。田村優の復帰も見てみたいですね」

野村「私はスティーラーズの松永貫汰。兄の拓朗もいいですが、WTBの弟はよりチャンスがあるかなと」

――最後に、ズバリ優勝チームは。

谷口「ワイルドナイツといわざるを得ません。プレーオフになるとどこも手堅くなるので、ハイボールも含めてキックが増える。ワイルドナイツはキックゲームがすごくうまいですよね。そのよさが、益々引き立つような気がします」

野村「期待を込めてブレイブルーパス。ここからぐっとまとまって、リーチのリーダーシップとモウンガ、フリゼルが噛み合い、ラインアウトが安定すれば。ほとんど接戦をしていないワイルドナイツをあわてさせる個々の強さ、鋭さは、ブレイブルーパスが一番のような気がします」

「ワイルドナイツとブレイブルーパスの決勝対決になったら、おもしろい試合になると思います。ブレイブルーパスが一度も持ち味を出せずに終わるということはないでしょう。一方でワイルドナイツも、目に見えない慢心や油断を本当に警戒して過ごしている。去年を落としているからこそ、今年は優勝の確率が高いと思います」

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