コラム 2021.11.18

【コラム】戻ってきた景色

[ 直江光信 ]
【コラム】戻ってきた景色
10月30日に30チームが集まり行われたSEINANラグマガカップ。会場はJ-GREEN堺(撮影:松本かおり)

 縁あってかれこれ15年ほどミニ・ラグビーの大会運営に携わっている。小学校の高学年カテゴリーを対象とした「SEINANラグビーマガジンCUP ミニ・ラグビー交流大会」がそれだ。毎年7月から10月にかけて東北、関東、関西、九州の4地域で開催され、各大会で推薦された4チームは1月に東京で行われる「FOR ALL ミニ・ラグビーフレンドリーマッチ」に出場する。全国津々浦々で熱心に活動するラグビースクールの選手、指導者と、無私の献身で日本ラグビーの草の根を育む各地の普及育成委員、競技に惜しみない愛情を注いでくれる協賛企業の心意気によって支えられる大会である。

 年ごとに若干の増減はあるが、東北でだいたい12、関東が20、関西は60、九州なら30チームほどがエントリーする。1チーム15人として、毎年4大会で総勢2000人近い少年少女ラガーが参加している計算だ。過去のパンフレットを見返してみると、いま高校や大学、社会人のさまざまなチームで活躍する選手の名が、そこここに見つかる。取材でプロフィールをたずねた時、「あの大会に出ていたんです」なんて耳にすると、なんだか少しうれしくなる。

 その大会が、2020年は新型コロナウイルスの影響で開催することができなかった。2019年ワールドカップ日本大会の成功で育成世代の現場にも強い追い風が吹いていただけに、関係者の心情を想像すると胸が痛む。残念なことに2021年も、夏から秋にかけて開催を予定した大会が、次々に見送りもしくは延期になった。

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