ジェイミー・ジャパンの底力が問われる一戦。11.13ポルトガル戦プレビュー【J SPORTSで生中継&LIVE配信!】
気迫満点のアイルランドに完敗。残り2戦で誇りを取り戻せるか
ラグビーワールドカップ2023フランス大会の開幕まで2年を切り、この秋の国際交流期間は各地で世界中の強豪国による激闘が繰り広げられている。そうした中、日本代表は10月23日に2年ぶりの国内でのテストマッチとなるオーストラリア戦を行った後(23-32で敗戦)、ヨーロッパに遠征して11月6日にアイルランドとのツアー初戦に臨んだ。
今年7月には同じダブリンのアビバスタジアムで31-39の接戦を演じており、期待が高まる中で迎えた4か月後の再戦だったが、結果的には厳しい現実を突きつけられる戦いとなった。この試合で記念すべき100キャップ目を獲得したキャプテンのSOジョニー・セクストンをはじめ、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのツアーメンバーに選出されたNO8ジャック・コナンやCTBバンディー・アキら前回の対戦では出場していなかった主軸が復帰したアイルランドは、開始直後から強みを存分に発揮して主導権を掌握。多彩なプレーとボールへの強靭な絡みで、攻守にジャパンを圧倒する。
防御のギャップを見逃さず一気に仕留め切った前半4分のWTBジェイムズ・ロウの先制トライを皮切りに、前半だけで4トライを挙げて29-0と大きく先行。後半もまったく緩むことなく攻め続けて加点し、リードを拡大していく。相手の気迫みなぎるパフォーマンスにジャパンは1トライを返すのが精一杯で、終わってみれば2000年11月の対戦(9-78@ダブリン)に次ぐ、両国のテストマッチ史上2番目の失点および得失点差の完敗となった(最終スコア5-60/通算成績はジャパンの1勝11敗)。
試合後、FLピーター・ラブスカフニ主将は「モメンタム(勢い)の部分でアイルランドにやられてしまった。流れを自分たちで止めることができなかった」と試合を振り返り、NO8姫野和樹は「気持ち、マインドセットが足りなかった。それに尽きる」と敗因を口にした。2019年のラグビーワールドカップで初黒星を喫した相手に、7月のテストマッチに続いてホームで締まりのないゲームはできない――。そんなアイルランドの決然たる意志は、プレーの随所に立ち上った。同国のシンボルであるセクストンの100キャップの節目に、快勝で花を添えたいという思いも強かっただろう。
ジャパンにとっては、世界のトップ国に対しメンタル面で受けに回ればこうなるという教訓をまたしても刻まれた格好だが、ヨーロッパツアーはまだ初戦を終えたばかりであり、誇りを取り戻す機会は十分に残されている。とりわけ今秋のテストシリーズ4連戦のうち唯一世界ランキングが下の相手となるポルトガルとの次戦は、チームの真価と底力が問われる一戦となる。