筑波大の新SO、浅見亮太郎はルーキーでも堂々プレー。3年連続慶大撃破へ、キックで導く。
対抗戦の初戦。真紅のジャージー。デビュー戦。ルーキー。スタンドオフ…。
委縮してもおかしくない。緊張とプレッシャーが大いにかかる舞台だったはずだ。それでも、新たに水色ジャージーの10番を背負ったルーキーは、堂々としたプレーを見せた。
9月12日、無観客の熊谷ラグビー場。関東大学対抗戦の初戦、帝京大戦で筑波大の浅見亮太郎はSOで先発した。7-17の惜敗に終わるも、浅見は接戦の中で巧みなキック、大胆な仕掛け、激しいディフェンスで存在感を示した。何より1年生としての緊張感を感じさせなかった。
「緊張もしましたけど、しても意味がないというか(笑)。自分の仕事をきちんとやることだけだと思っていたし、それができれば勝てると思った。思い切ったプレーはできたと思います」
開始1分過ぎに奪ったトライは浅見が起点になった。
敵陣ゴール前の5㍍スクラムから、浅見自ら仕掛けて突っ込む。ラインは割れなかったが前進、次のフェイズでFL岩田真樹がトライを奪った。
「あそこはチームとして準備していて、前が空いたら自分でいこうと。結果的に届かなかったですけど、サポートがいるのも分かったのでチャレンジしました」
その後も「長所であるキックを使って、どんどん自分の色を押し出せばいい」と、持ち味を存分に生かす。ゴールラインの手前ギリギリで落とすキックも披露した。
「自分のキックがチームの戦術になっているのは理解しているので、キックがうまくいかなかったら試合に負ける。それは自分が一番分かっているつもりです」
だからキックの練習は欠かさなかった。全体練習の前には必ずキック練から入り、練習後にも最後まで残って蹴り続けるのが浅見の日課だ。
スパイクにもこだわりがある。練習、試合、雨と時と場合によってスパイクを履き替える。流経大柏入学後、同級生のSO山下真之介(立命大)に影響を受けた。
「山下がとてもスパイクに詳しくて。オフの日は一緒にスパイクを買いに行ってました。カンガルーの革のスパイクがお気に入りで、アディダスのコパとかナイキのティエンポを履いてます。キックの感触、足のフィット感が良い」