各国代表 2021.08.05

8月7日はオールブラックスとオーストラリアの定期戦「ブレディスローカップ」。南半球4大国の激突を占う一戦に

南半球のラグビー大国が激突する4か国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」。ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンが世界最高峰の“四つ巴”を繰り広げる。今回は、その8月14日の開幕に先立って行われる伝統の定期戦「ブレディースローカップ」を紹介する。

[ 編集部 ]
8月7日はオールブラックスとオーストラリアの定期戦「ブレディスローカップ」。南半球4大国の激突を占う一戦に
昨年のブレディスローカップはカップは2勝1敗1分けでニュージーランドに軍配。2003年以降、18連覇中だが今年はどうなるのか(Photo/Getty Images)

層の厚さに磨きをかけるオールブラックス

ライバルは似た者同士である。

ニュージーランドとオーストラリアはタスマン海峡を挟んで向かい合っており、ともに英連邦王国のひとつ。地球規模ではご近所同士と言え、国家の成り立ち方も似ている。

その関係性による因縁は、ラグビーの代表戦で顕在化する。1931年からの直接対決はブレディスローカップと呼ばれ、両国、開戦当時のニュージーランド総督ブレディスロー卿にちなんだ杯を奪い合っている。4年に1度のワールドカップが始まったのが1987年だから、ブレディスローカップの年輪の深さがわかる。

このバトルはもともと不定期開催も、1982年以降は年に1度のペースで1〜4試合ずつ、実施される。2021年は8月7日に初戦があり、続く14、28日の2、3戦目は南半球強豪国のリーグ戦にあたるザ・ラグビーチャンピオンシップ(TRC)の試合も兼ねる。これと同様の形式が、長らく続いている。

2023年のワールドカップフランス大会まで、あと2年。いまはどちらも現有戦力の見極め、新戦力の引き上げに注力していよう。オールブラックスことニュージーランド代表も、ワラビーズことオーストラリア代表も、2019年の日本大会ではそれぞれ3位、8強入りと結果には満足していまい。頂点に立つのに必要なプロセスを踏みたい。

しかし決戦当日となれば、視野に入るのは目の前の勝負、目の前の憎き相手に限られる。

何度も世界ランク1位に立ってきたオールブラックスは、2020年秋、ブレディスローカップの18季連続防衛に成功。その折のザ・ラグビーチャンピオンシップでも、挑戦者にあたるアルゼンチン代表に土をつけられながらも最後は優勝している。

今春のテストマッチでも、選手を頻繁に入れ替えながらトンガ代表、フィジー代表との計3戦を制した。連覇で頂点に輝いた2015年イングランド大会以来、4度目となるワールドカップ優勝に向け、選手層の厚みを示す。今度の決戦では、ここまでのタフな争いを制した面子が黒いジャージーを着るだろう。

サム・ケイン主将が下働きで際立つフォワード第3列には、日本の姫野和樹とハイランダーズで切磋琢磨してきた新星のシャノン・フリゼル、破壊力と勤勉さを兼備するホスキンス・ソトゥトゥらが名乗りを上げる。

ハイランダーズでは姫野のチームメートにしてライバル。シャノン・フリゼル
(Photo/Getty Images)
SRブルーズでの活躍が認められ黒衣をまとうホスキンス・ソトゥトゥ(Photo/Getty Images)

新旧対決は、攻めの起点たるスクラムハーフでも起こりそう。突破力とパスで際立つ常連のアーロン・スミスに、ブラッド・ウェーバー、代表デビューしたてのフィンレイ・クリスティが球さばきの速さで追随する(初戦はアーロン・スミスの100キャップ目となるゲーム。リザーブには、ブラッド・ウェーバーがピックアップされた)。

25歳の新鋭SHフィンレー・クリスティはチーフス、ハリケーンズからブルーズに移って開花(Photo/Getty Images)

司令塔のスタンドオフ争いでも火花は散る。日本大会で主戦級のリッチー・モウンガへ、フルバック兼務のボーデン・バレットが挑む。

バレットは先日まで日本のサントリーへ在籍。2020年の国内トップリーでは、スタンドオフとして経験値を積んできている。

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