国内
2020.09.16
おいしいご飯で、強くなる。専大4年生PR、栗山塁。
「ただ、リーグ戦が始まって自分たちのスクラムが実際に優位でも、そうでなくても、自分たちのやるべきこと、方向性は変わらないので。これを突き詰めていくだけです」
実際のパックを見ると、組んでからのヒザの粘りといい、人の塊がより小さくなるように見える姿勢の沈み込みといい、応援したくなるスクラムだった。両プロップの背中とお尻は曲がらず、ひねらず。まさに堅牢な柱のよう。沈み込みから一瞬の間を置いて、相手の結束が「ざざざっ」と崩れ後退する。
実戦形式では完敗したが、このスクラムセッションでは、専大FWの表情に精気が戻った。スクラムは、小兵のこのチームにとって、固めておきたい一つの拠点だったからだ。
チームを3番の位置で引っ張る栗山は、桐蔭学園出身。高校で1学年上のPR、石田楽人に声をかけられて、専大に行くことを決めた。
「石田さんは、ラグビーでは厳しいこともしっかり言ってくれる先輩。オフはフランクに話をしてくれて、高校時代から頼れる存在でした」
そして、進路選択には、もう一つ密かで小さくはない理由があったという。
それは、専大の寮のごはんのおいしさ。
「体験で練習をしにきたとき、ごはんをご馳走になりました。それがすごくおいしくて。家から出るなら、ここのごはんを食べて過ごしたいなと思いました。ボリュームもあるし、できたてほかほか。今でも、それは幸せだなって思います」