コラム 2020.08.06
【コラム】 あなたがいたから

【コラム】 あなたがいたから

[ 直江光信 ]
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 その2週後のチーフス戦のあと、当時大学4年生にして先発で出場したSH齋藤直人は、スーパーラグビーでプレーする時間を「なんか、ほんと、すごく楽しくて」と表現した。競技を始めたばかりの高校生のような笑顔に、心の底からラグビーに没頭できている充実感が伝わってきた。ウイルス禍により6試合を終えたところでシーズン終了となったのはいかにも惜しまれるが、トータル198分のプレータイムで得た体感は、この先のラグビー人生において何ものにも代えがたい財産になるだろう。

 この5年、数々の選手がそんな経験を積んで、さらなる高みへと駆け上がっていった。その姿を目の当たりにして多くの人々がこの舞台に立つことの意義を実感し、新しいラグビーの魅力に引き寄せられた。 すべては、太陽色に輝くジャージーが見せてくれた景色だった。

【筆者プロフィール】直江光信( なおえ・みつのぶ )
1975年生まれ、熊本県出身。県立熊本高校を経て、早稲田大学商学部卒業。熊本高でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。早大時代はGWラグビークラブ所属。現役時代のポジションはCTB。著書に『早稲田ラグビー 進化への闘争』(講談社)。ラグビーを中心にフリーランスの記者として長く活動し、2024年2月からラグビーマガジンの編集長

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