福岡堅樹「自分の決めたものを貫く」、医学の道へ。7人制も日本代表引退、現役は続行。
ラグビー界のスターである福岡堅樹が、7人制日本代表からの引退を発表した。東京オリンピックへの挑戦を断念。昨年のワールドカップを最後に15人制の代表からも退くことを決めていたので、もう桜のジャージーを着ることはない。
ワールドクラスのウイングと称賛された27歳の青年は、パナソニック ワイルドナイツの一員として現役を続けるが、かねて公言していた憧れの医師になるため、医学の道を力強く歩んでいく。
6月14日、会見に臨み、自らの口で将来について語った。
「私は、ラグビー7人制日本代表からの引退を表明します。まずは、オリンピックを目指すという挑戦を応援していただいたファンの皆様、サポートしてくださったチームの関係者の皆様には申し訳ないと思っています。今回このような結論に至った理由は、自分のなかで後悔したくない、後悔しない人生を生きたいという思いがいちばん強かったからです。東京オリンピックの延期がささやかれ始めたときから、自分のなかでは、どうするかということは常に考えていました。どの選択がいちばん後悔しないだろうかと、常に考えていました」
ワールドカップを戦うためにすべてを犠牲にしてラグビーに打ち込み、2019年の日本大会で悲願のベスト8入りを達成。そして、東京オリンピックを日本代表選手としての集大成にすると決めていた。ワイルドナイツの一員としてトップリーグ2020の第2節までプレーしたあと、オリンピック競技である7人制ラグビー(セブンズ)に専念することを表明し、痛めていた膝のリハビリを経て、3月から7人制日本代表候補選手たちが集う強化合宿などに参加していた。しかし、今年夏に予定されていた東京オリンピックは新型コロナウイルスの世界的大流行により1年延期が決まった。
「7人制の合宿にいるときに、オリンピック延期の可能性が浮上してきた段階から、自分のなかではどうするか考え始めていました。(日本代表)引退のタイミングは、東京オリンピック単体で設定したものではなく、2019年の日本でのワールドカップとセットで考えていた。だから、ここで一つ途切れたからといって、ずらすことは自分のなかではできなかったです。必ずここでと決めてやってきたことを変えたくないという自分のなかの思いであり、一度決めた引退のタイミングをずらしてしまうと、また何かやりたいことが出てきて、どんどんずれてしまって、タイミングを失ってしまう可能性も考えられるので、自分の決めたものを貫きたかったのです」