国内 2020.05.23
仲間と仕事とふるさと。大野均、現役引退会見

仲間と仕事とふるさと。大野均、現役引退会見

[ 編集部 ]
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 2018年の9月。そのころ後半途中出場の多かった大野が、珍しく先発起用をされた試合があった(4節コカ・コーラ戦)。60分間を駆け回ったLOは疲弊していた。この日、105キロの体重は試合後にふた桁にまで減っていた。試合の様子を見ていればわかる。大野均は動き続ける。タックルや密集に入った後の選手はふつう、ふうっと「一息」が入ってしまう。しかし大野均だけは、決して軽やかではないがすぐに立ち上がった。次の仕事を求めて、まっすぐに、いくべきところ向かった。コンタクト、味方へのサポートの瞬間のスピードは若手よりも速い。ただ、インターバルの動きは決して速くはなかった。WTBでもプレー経験があるほどの走力を持つ大野をして、そこまで疲弊するほどの仕事量をこなしていた。

「自分が所属したチーム――日大工学部、東芝、日本代表、サンウルブズは、本当に魅力的なチームで。このチームで勝ちたいと思わせてくれたので、その時々、自分ができることを身を投げ出して尽くそうという思いでやっていました」

 ふるさとを愛する選手だった。

「2011年の震災で、辛い思いをした、いまでも辛い思いをしている人がたくさんいる。自分は、ラグビーでその苦しさをひと時でも、忘れてもらえたらと。そういう試合をしたいという思いでずっと続けてきました」

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