国内 2020.05.21
【再録・ジャパン_02】堀江翔太 [2007年8月号/解体心書]

【再録・ジャパン_02】堀江翔太 [2007年8月号/解体心書]

[ 編集部 ]

 本人曰く「素人」の堀江だったが、高1の夏からリザーブ入り、秋の花園予選ではLOでレギュラーに食い込む。1年では準決勝で大阪桐蔭に負け。2年もLOで、やはり準決勝で啓光に負け。だがNO8に移った最終学年は、私立の雄・大阪工大高を準決勝で破る金星を挙げた。初めて進んだ決勝では東海大仰星に敗れ、花園の夢は潰えたが、予選の活躍で堀江には違う将来が開けた。12月に行われるU19アジア大会の代表候補に、急遽招集されたのだ。

 この学年は、前年夏にU17代表候補合宿を行い、3年の8月には高校日本代表で豪州へ遠征、ツアー4戦全勝の快挙を達成した逸材揃いの代なのだが、堀江は3年の秋まで一度も合宿に呼ばれたことのない無印。それが、花園予選のパフォーマンスで抜擢されると、12月のアジア大会、翌年4月の世界大会ともNO8で全試合フル出場。最終戦でスコットランドを破り、史上最高の7位になった世界大会でも「一番通用していたのはホリエ」という声が選手間からも聞かれたほどだ。

「高3のときはLOからNO8に下がったこともあって、いろんなスキルを覚えようとしました。サッカーをやってたこともあってドロップキックとタッチキックは蹴らせてもらったし、パスやステップもできるようになりたかったんです」

 目標としていた選手は「特にはいません。身近な人が素晴らしい技術を持っていたら、それを真似たいと思う方です」という。手本はチームメイトや対戦相手が見せた個々のプレー。高校時代は島本の2年先輩だったCTB須田浩平(帝京大→JR西日本)のステップをまね、大阪大会で見た1学年上の啓光学園SO曽我部佳憲のロングパスもマネてみた。U19代表のときは、高2で選ばれたCTB森田尚希(啓光学園→同大)のパスダミーもじっくり観察した。だが別格の存在だったのが「仙波(優)さんです。トヨタの試合をテレビで見て、強いし速いしステップはキレキレ。メチャメチャ凄かった」。

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