日本、強豪国認定の「ティア1」昇格へ。新国際大会創設に再び動きか
ワールドラグビーの会長選で再選を果たし、グローバルな発展への改革が求められているビル・ボーモント会長が、強豪国とランク付けされる「ティア1」に日本を昇格させる見通しであることが明らかになった。海外メディアでも報じられており、すでに日本ラグビー協会に約束をしたという。近いうちに正式発表があると思われる。
現在ティア2とされる日本がティア1に昇格すれば、アジアでは初めて。現在、ティア1に格付けされているのは、シックスネーションズ(イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド、フランス、イタリア)とSANZAAR(南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチン)の10か国で、日本は11番目となる。最新の世界ランキングは、日本は9位。
ティア1と認められれば、これらの強豪国とマッチメイクがしやすくなり、資金配分などでもメリットが見込まれ、さらに、5月12日から2期目の任務をスタートさせるボーモント会長は新たな国際大会の創設に強い意欲を示しており、実現した場合は日本も参加することが確実視されている。
昨年は新たな国際大会として12チーム参加の「ネーションズ・チャンピオンシップ」が計画され、2022年からの開催を目指し日本も含まれる予定だったが、参加協会から全会一致での合意が得られなかったため、6月に計画中止が発表されていた。
会長選では、SNSで「#GlobalGame」のハッシュタグを使って選挙戦を展開した元アルゼンチン代表主将のアグスティン・ピチョット副会長を破ったボーモント会長だが、グローバルな発展を望む声は多い。ピチョット氏を支持したニュージーランドラグビー協会のブレント・インピー会長からは「一部の限られた国や地域のためだけではなく、グローバルな成功に必要な決断を下す勇気が見られればうれしい」とプレッシャーをかけられており、日本のティア1昇格は改革のひとつとなりそうだ。
日本にとっても大きなターニングポイントであり、『Americas Rugby News』は、アルゼンチンが2007年のワールドカップで3位になったあとワールドラグビーの支援を受け、南半球の強豪グループに仲間入りしたときと似ていると報じている。アルゼンチンは2012年から、南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアと定期的に戦えるようになり、南半球の強豪国がぶつかる大会は、ビッグ3が競う「トライネーションズ」からアルゼンチンを含む4か国対抗の「ラグビーチャンピオンシップ」へと発展した。
日本は2015年のワールドカップで当時世界ランキング3位だった南アフリカを破るという歴史的快挙を成し遂げ、2019年のワールドカップではアイルランド、スコットランドといった伝統国を倒して初のベスト8入りを果たすなど、その実力はいまや世界から認められている。