国内
2020.01.08
高校日本一! 桐蔭学園の藤原センセイ、30年目の歓喜。
■ 紺と黒。モノクロの記憶
1月7日、大阪は花園ラグビー場で全国高校大会決勝が行われ、桐蔭学園(神奈川)が御所実(奈良)を23-14で破って優勝を決めた。桐蔭学園にとっては7度目の決勝チャレンジで、初めての単独優勝だった(2010年度に東福岡との両校優勝)。
藤原秀之監督、優勝が決まると珍しく感情が表に出た。
「これまでの、いろんなことが走馬灯のように浮かんできましたね」
2005年度の85回大会、伏見工に優勝を譲って以来、決勝進出が今回を含めて7度。
本人やOBたちにとっては歯がゆく長い14年だったろう。しかし、この15年で7度も決勝に勝ち上がった高校チームは桐蔭学園と東福岡のみ。優勝以前に打ち立てられた大きな実績と言える。
前監督時代に、大学を卒業したばかりの藤原秀之先生がやってきたのは1990年のことだった。
藤原秀之コーチは、大東大一高の韋駄天WTBとして活躍し、全国優勝(第65回大会)を遂げた経験の持ち主。日体大ではリーダーの一角をなした。ただ選手として公式戦の出場は1。関東大学対抗戦の学習院大戦勝利が唯一の実績だった。
指導者としては試行錯誤の日々を過ごした。生徒たちにとっては強豪大学出身の新卒教員、待望のコーチだった。しかし、なかなか勝たせてやれない。当時、桐蔭学園はまだ花園出場を果たしたことがなかった。神奈川県には全国トップレベルの強豪である相模台工業が君臨していて、桐蔭は県4強、8強の線上で戦うチームだった。