国内 2020.01.07

7度目の正直。桐蔭学園が見た景色

[ 編集部 ]
7度目の正直。桐蔭学園が見た景色
カウンターで反撃トライを演出。試合を決める活躍の伊藤大祐主将(桐蔭学園/撮影:早浪章弘)

1月7日、花園ラグビー場で全国高校大会の決勝が行われ、桐蔭学年(神奈川)が御所実(奈良)を23-14で破って優勝を決めた。桐蔭学年の優勝は9年ぶり2回目。前回優勝の2010年度は決勝同点のため両校優勝で、単独での優勝は初めてのこととなる。

 前半は、御所が仕掛けたキック合戦に、桐蔭がとことん付き合った。前日来の雨の影響もあり、ミスが桐蔭に連発。これを御所が突く展開で14-0に。3点を返して14-3として迎えた後半は、始めから桐蔭がボールを持って突き進んだ。

NO8佐藤健次
「メンタルが重要だった。前半、攻めて決めきれずに終わった時は、少しみんな熱くなっていた。それが、ハーフタイムで話して落ち着いて後半に臨めた。キックでうまくいっていなかったので、後半は継続しようと。それで前に出られたのでよかった」

SO伊藤大祐主将
「キッキングゲームを続けたけれど、うまくいかなかったので切り替えた。昨年も出場して決勝の舞台(前年度。24-26大阪桐蔭)を知っていた経験は大きかった」

 後半開始早々の6分に、LO青木恵斗の突進でトライを返し(G成功)、桐蔭10-14に。

 16分には自陣から伊藤主将のキックカウンターが決まり、FB秋濱悠太がトライ(G不成功)。桐蔭15-14に。

 23分、桐蔭がさらにトライを奪い取り(G不成功)、桐蔭20-14。

 そして、後半27分にSO伊藤がDGを叩き込み、桐蔭23-14とした。

 残りは実質2分ほど。9点の差をつけて、1トライ1ゴールでも試合がひっくり返らない安全圏突入に成功した。最後は、桐蔭がタッチキックで試合を切って終わらせた。

藤原秀之監督
「7度目のチャレンジだったので…。終わった時はこれまで何度もカベにはね返されてきたことが、走馬灯のように思い出されて。優勝が決まって見えたのは素晴らしい景色でした。神奈川の予選でも花園に出るまで7度負けているので、全国でもこの位かかると言うことなのでしょう。前半、4点差で折り返せればと思っていたが、自分たちにエラーが思ったよりも出た。後半はBKがゲインできた」

 初めての決勝進出は第85回大会の2005年度。阻まれ続けた藤原監督らコーチ陣にとっては、長い長い戦いの末の頂上体験だった。

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