国内
2020.01.08
高校日本一! 桐蔭学園の藤原センセイ、30年目の歓喜。
その後のストーリーは、花園のトップ争いの歴史を彩って、広く知られている通りだ。
今年の花園で話題になったのは、桐蔭学園が部内で、対戦校の「プレゼン」をして各試合に臨んでいたというエピソードだ。戦う相手へのリスペクトを忘れないーーこの習慣は大会の終わりまで続いた。今回も桐蔭のメンバーは、奈良は御所の街と学校についての知識と敬意を心に刻んで、当日の朝を迎えている。
かつて同じ県内に全国トップ級の強豪がいて、いつも11月には3年生を送り出していた頃、桐蔭学園は相模台工業と戦う時は決まって全身白のセカンドジャージーをまとって決戦に臨んだ。好敵手にして全国トップランクのサガミのジャージーは、全身黒。そこへ純白の軍団がチャレンジを繰り返していた。
色のとり合わせと歩んだストーリーは、奈良県代表のチャレンジャー、漆黒の御所実とよく似ている。同じく全国の強豪である天理の白い壁を突破してきた御所実は、今回が4度目の決勝だった。何度もはね返されては、また立ち上がった。対戦相手のことを誰よりもよくわかっていたのは、藤原先生だった。