ワールドカップ 2019.12.11

ラグビー日本代表の通訳・佐藤秀典さんが教育界に転職

ラグビー日本代表の通訳・佐藤秀典さんが教育界に転職
「生徒たちには、とにかく現場を経験してもらいたい」。大阪の十三駅近くに新設された校舎の前で(撮影:BBM)

ラグビーワールドカップで初のベスト8進出を果たしたラグビー日本代表。チーム通訳として監督や選手たちをサポートしたのが佐藤秀典さんだ。

佐藤さんは10歳のときにオーストラリアに移住。高校卒業後に帰国して、03年からトップリーグのワールドで通訳をはじめ、15年に当時の日本代表エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチに誘われ、今回のワールドカップまで日本代表のチーム通訳として活躍してきた。

「ラグビーは南半球、北半球など、さまざまな国の選手たちがプレーしていることもあり、同じ英語でも、それぞれの国によって言い方が違います。ラグビーは戦術やルールなど細かい部分の説明が多くて、瞬時に訳すためには、ラグビー専門用語の使い方や戦術などを自分でも事前に理解しておく必要があります」

佐藤通訳の仕事は多岐にわたる。選手たちと一緒にグラウンドで走り回り、英語から日本語、日本語から英語へと訳していく。仕事場はグラウンドだけではない。チームミーティング、メディアへの対応、ドクターやスタッフなどの打ち合わせ。個別の対応など、早朝から深夜まで、たくさんの言葉を訳さなければいけない。

「スポーツの現場では意思疎通ができなかったことで、戦力から外されてしまったり、それが選手生命に関わってしまうこともあるのです。それだけ大切な仕事なので、とても緊張します。その人が何を伝えたいのか。自分の言葉に置き換えながらも、その人が使った単語や表現などを忠実に、わかりやすく伝えなければいけません」。

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