コラム 2019.03.26

【ラグリパWest】2年目はチームとともに飛躍。 コカ・コーラ WTB津岡翔太郎

[ 鎮 勝也 ]
【ラグリパWest】2年目はチームとともに飛躍。 コカ・コーラ WTB津岡翔太郎
コカ・コーラの期待の2年目、津岡翔太郎。ウイングを任せられるが、その身体能力は高い



 自分自身の成長がコカ・コーラのトップリーグ復帰につながる。
 ウイング・津岡翔太郎の思いは強い。
 この4月、入社2年目に入る。

 自己目標を設定する。
「オーバーエイジ枠でユニバーシアードに出たいですし、さらにオリンピアンになれたらいいなあと思います」
 今年7月、イタリア・ナポリでの「大学生の世界大会」参加を目指す。その上で、来年の東京オリンピックを見据える。

 津岡は今年1、2月にあった男子セブンズTID(Talent IDentification=人材発掘・育成)キャンプに参加した。
 7人制の若手代表候補に選ばれるだけあって、身体能力は群を抜く。
 40メートルは4秒7。立ち幅跳び3メートル10には笑いながら注釈がついた。
「その時はちゃんとしたシューズではなく、オニツカタイガーを履いていました」
 底が比較的薄く、反発力が少ない靴でも記録を残す。

 しかし、そのバネを使えなくなるような選手生命の危機があった。
 2年前の秋、強い脳震とうに見舞われる。
 帝京大4年で出た国体でだった。
 出身校が佐賀工の縁で県代表として戦う。その時、相手のヒザが後頭部に入った。
「まっすぐ歩けませんでした。すぐにこけました」
 大学病院での診断は絶望感を呼ぶ。
「ラグビーができなくなる可能性がある」

 コカ・コーラは3年時から、当時の採用担当だった西村将充がスカウトをかけていた。
 津岡は会社に善後策を相談する。
「仮にラグビーができなくなっても構わない。それだけで採用を決めた訳ではない」
 世界的企業の懐は深かった。

 大学9連覇を横目に安静を貫く。
 昨年4月の入社後にはチームドクターにも診察してもらった。
「5月から、ジョギングを始めました」
 7月からラグビーに復帰する。

 津岡は心に誓う。
「会社とチームに恩返しをせんといかん」
 その気持ちを知るように、ヘッドコーチのアール・バーは本格練習2か月の新人をトップリーグ開幕戦に抜擢する。

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