欧州最強クラブはトゥールーズかラ・ロシェルか? 今週末、トゥイッケナムで決勝
ヨーロッパNo.1のラグビークラブを決めるハイネケン・チャンピオンズカップの決勝が、現地時間5月22日、イングランドのトゥイッケナムでおこなわれる。厳しい戦いを勝ち上がったのは、トゥールーズとラ・ロシェル。前日のチャレンジカップ決勝はモンペリエ対レスター。決勝進出4チーム中3チームがフランスのチームとなった。
トゥールーズとラ・ロシェルは、いずれもひとりのオーナーが所有するのではなく、地元のさまざまな人々が出資して運営を支える、地域に根差したクラブという共通点がある。
5月1日におこなわれたトゥールーズ対ボルドー・べグルの準決勝。トゥールーズのホームスタジアムであるスタッド・エルネスト・ワロンのバックスタンドには「MISSION EUROPE(ミッション・ヨーロッパ)」と大きく描かれていた。
トゥールーズの今季のチャンピオンズカップのテーマは「宇宙探検」。大会用ジャージーも宇宙をイメージ、クラブのアンバサダーであり、現在ISSで任務に就いているフランス人宇宙飛行士のトマ・ペスケ氏とコラボしたデザインだ。ジャージーに入っている4つの星は、この大会での過去4度の優勝を表す。この大会のミッションは、「星を獲得せよ!」。5つ目の星を狙う。
一方、1つ目の星を狙うラ・ロシェル。準決勝レンスター戦の日は、自宅から10km以内の日中の外出は認められていたが、6人以上の集会は禁止されていた。サポーターはクラブ初のチャンピオンズカップ準決勝を戦う選手たちに声援を送るために、スタジアム周辺に例外的に集まる許可を県庁に願い出たが認められず、クラブも「集まらないで」とSNSなどを通して呼びかけた。しかし試合会場であったホームスタジアムのスタッド・マルセル・デフランドルの入り口では、チームバスの到着を数千人のサポーターが待ち構えていた。
ラ・ロシェルの街は、ラグビーチームのリズムに合わせて呼吸している。試合の日は街中がチームカラーの黄×黒になる。2016年1月から、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でリーグ戦が中断される直前の2020年2月まで、ホームでの試合は55試合連続満員御礼の記録を更新中。1万6千席のうち1万3500席は年間シートで、スタジアムに行くと知った顔に会える社交の場になっている。最近は近隣の県から来る人も増えており、年間シートが空くのを待っている人は千人近いという。