欧州最強クラブはトゥールーズかラ・ロシェルか? 今週末、トゥイッケナムで決勝
トゥールーズのユーゴ・モラHCは試合2日前の会見でラ・ロシェルについて質問され、「バランスのとれた、しっかりしたチーム作りがされている。フランスラグビーにとって良いことだ。うちとは違った魅力のあるチーム。僕もトゥールーズのコーチじゃなかったら、ラ・ロシェルのサポーターになっている」と言うほど高く評価している。
長い時間をかけて着実に強化してきたラ・ロシェル。「選手たちが『もしかしたら勝てるかも』と言うのが耐えられなかった。『もしかしたら』ではなく、『勝つ』のだ。やっと、このメンタリティが変わってきた」とオガーラHC。機は熟したか。
決勝はロンドンのトゥイッケナムで1万人の観客を入れておこなわれる。フランスから応援に行くには10日間の隔離期間が義務付けられているため、多くはテレビ観戦だ。チームの移動も厳しい。感染防止対策のため、渡航できるのは各チームとも選手30名+スタッフ20名+代表者2名に限られている。
トゥールーズは、ここまで一緒に戦って負傷したヨアン・ユジェやソフィアンヌ・ギトゥーンヌ、また準決勝のボルドー戦でファウルプレーをし4試合出場停止になったジュリアン・マルシャンなど、試合に出ない選手も一緒に行って同じ時間を分かち合いたかったが、それも叶わなかった。
両チームのロンドンへの出発時、現地まで応援に行けないサポーターが、見送りに集まっていた。トゥールーズは一緒にロンドンに行けない選手が、サポーターの先頭に立って旗を振ってトゥールーズ・コールの音頭をとっていた。
トゥールーズにとっても11年ぶりのチャンピオンズカップ決勝進出で、サポーターも大いに楽しみにしている。当初はスタッド・エルネスト・ワロンや市内の中心部であるキャピトル広場に大型ビジョンの設置を計画していたが、サポーターが過度に集まることを危惧され許可が下りず断念。また、営業を再開したばかりのバーやレストランでの試合中継も禁止、決勝戦の日は試合が終わる19時で閉店するよう命じられている。
コロナウイルスの影響で通常通りに運ばないことが多かった本大会だが、今季のヨーロッパチャンピオンにふさわしい2チームが決勝に残った。キックオフは日本時間23日(日)0時45分。ヨーロッパ最高峰の試合になるに違いない。