【関東大学対抗戦】逆転に次ぐ逆転で筑波が劇的勝利! 明治は痛い黒星スタート

■関東大学対抗戦Aグループ
・9月14日@ケーズデンキスタジアム水戸(茨城)
【筑波大 28-24 明大】
9月14日、ケーズデンキスタジアム水戸で関東大学対抗戦の開幕節がおこなわれ、筑波大が明大を相手に後半ロスタイムに逆転トライを奪い、28-24でくだした。筑波大の明大に対する対抗戦勝利は2013年以来、12年ぶり。優勝候補の一角と目された明大は痛い黒星スタートとなった。
前半は筑波大が明確に主導権を握った。接点でプレッシャーをかけ、スクラムやラインアウトなどセットプレーでも圧倒。明大は受けに回って混乱をきたし、多くの時間を自陣で過ごすことになる。
しかし先にスコアを動かしたのは劣勢の明大。19分、SO伊藤龍之介のハイパントをWTB白井瑛人が見事にキャッチ。大きくゲインし、相手のペナルティを誘発。最後はゲームキャプテンのFL利川桐生が右中間に押さえ、7点を先行する。
だが筑波大に焦りはない。25分、FL中森真翔が左のサイドラインを鮮やかに突破。そのまま中央へ切り込み、サポートに入ったキャプテンのSH高橋佑太朗のトライを演出した。
スコアをタイに戻し、勢いに乗った筑波大はその後、ラインアウトで明大にプレッシャーを与え、幾度となくミスを誘う。35分にはまたも中森がタッチライン際で大きく前進し、一気にゴール前へ。最後はCTB今村颯汰が右中間に飛び込み、7-14と逆転に成功して前半を折り返す。
このままでは終われない明大は後半、タテへの推進力を強めて攻勢に出る。筑波大に徐々に反則がかさみ、その間にHO西野帆平、伊藤龍のトライで16分までに17-14とスコアを引っ繰り返した。
その後は両チームともに意地を見せ、展開がめまぐるしく動く。
まずは筑波大。34分に敵陣深くでのラインアウトからアタックを仕掛け、ルーキーのFB内田慎之甫がゴール前でディフェンスを切り裂くような鋭いランを披露。このチャンスを生かして中森がトライを奪い、再びリードを奪う(21-17)。
追い込まれた明大だったが、終了間際に底力を発揮。こちらも敵陣深い位置でのラインアウトを起点に、FWがしつこくタテを突く。最後は途中出場のLO物部耀大朗がディフェンスラインのギャップを突き、左中間に飛び込んだ。
コンバージョンも決まり、24-21と3点差ながら、またも明大がリードを奪う。しかし、このままゲームは終わらなかった。
ロスタイム。あくまで勝利をめざす筑波大は自陣から次々とボールをつなぎ、一気に敵陣22メートル線内まで攻め込む。
慌てた明大は、ここまでキックでのゲームコントールを含めて孤軍奮闘していた伊藤龍が痛恨のオフサイド。故意と判断されてシンンビンとなり、明大は1人少ない状況での戦いを強いられる。
逆に大きなチャンスを得た筑波大は、ゴール前中央でFWがタテにしかける。明大もディフェンスで粘りを見せたが、最後は筑波大が上回った。
大きくスペースの空いた右サイドをWTB濱島遼が駆け抜け、トライエリアへ侵入。ラストチャンスを逃さなかった筑波大が劇的な逆転勝利で対抗戦の白星スタートを飾った。
随所に冷静な判断が光ったキャプテンの高橋は、「自分たちのラグビーをすれば勝てると信じていたので焦りはなかった。(自陣の)ゴール前でも押し返せて、明治の焦りを感じた。一貫性を持って戦えた」と胸を張った。
嶋﨑達也監督も「実力は明治に届くと信じて準備してきた。セットプレーでは負けないと思っていた。しっかりとした土台を作り、戦える自信があった」と、指揮官も明確な手応えを口にした。
一方、敗れた明治のゲームキャプテン利川は、「筑波にゲームの流れを支配された。80分のうち60分くらいは筑波の時間だった」と完敗を認めた。神鳥裕之監督は、「まだ開幕したばかり。残り6試合あるので強くなれるように準備したい」と、ここからの巻き返しを誓った。
<次戦日程>
・9月28日(日)筑波大 vs 慶大@秩父宮ラグビー場
・9月27日(土)青学大 vs 明大@秩父宮ラグビー場