トップリーガーから転身の國學院栃木・浅野コーチ、「夢のある仕事」を語る
(写真はNEC時代のもの/撮影:BBM)
現役時代は日本最高峰であるトップリーグ(TL)のNECでプレーした浅野良太は、國學院栃木高の教員として2年目の春を迎える。前所属先を退社する前の昨季に続き、ラグビー部のコーチとして全国高校選抜大会に参加している(チームは3大会連続4回目の出場)。
31日、埼玉・熊谷ラグビー場。予選Eグループに入ったチームは、秋田中央高(2大会連続5回目)と19-19で引き分けた。好機を逃す展開だった。しかし浅野はまず、2月の関東大会(千葉)を2位で通過した選手を称えていた。
「きょうの内容どうこうよりも、こうしてここ(選抜大会)へ戻ってこられた。それは選手の努力(の成果)です。(課題は)取りきること。チャンスは作っているけど、取れてはいないので。あとはファーストタックルの精度です。ラグビーを志す彼らを少しでも上のレベルに引き上げたい。あとは、人対人の付き合い、ですね」
近年、TLの選手だった教員が高校ラグビー界に続々と仲間入りしている。パナソニックを昨季限りで退部した霜村誠一は、4月から正式に群馬・桐生第一高の監督となる。リコーを引退し、一昨季から千葉・流経大柏高のコーチを務めた相亮太も、同校監督に就任した。こうした潮流を、日本代表22キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)の浅野コーチは「嬉しいこと」と捉えている。
教え子たちの試合後に始まった佐賀工業高と広島・尾道高のゲームを観戦しながら、こう言葉を重ねていた。
「お互いの切磋琢磨が日本ラグビーの発展につながればいい。2019年のワールドカップ(日本大会)、自分たちの教え子が1人でもこの熊谷(同大会の会場の1つ)でプレーできたら…。本当に、そういう夢のある仕事ですね」
國學院栃木は4月1日に佐賀工(3大会連続10回目)、3日に尾道(3大会連続8回目)とそれぞれぶつかる。