「僕よりも小さかった」。セブンズ南ア代表、今年も少年たちと触れ合う。
『おばあちゃんたちの原宿』と呼ばれる街に、今年も楕円球大国のアスリートたちが降り立った。
東京セブンズで2年ぶりの優勝を狙うセブンズ南アフリカ代表が、ラグビークリニックをおこなった(3月31日)。香港セブンズを日曜日に終えて(香港では3位)、昨日、来日。東京・巣鴨の本郷高校グラウンドで約1時間ほど軽めのトレーニングをした後、同校ラグビー部を中心とした少年たちに基本の大切さを伝えた。
3年前から始まった『ブリッツボッカ』(同代表の愛称)と同校の交流。毎年、在日本南アフリカ大使館からも大使やスタッフが駆けつける。今回はノシセロ・ムベレ駐日全権公使が挨拶し、高校生たちとの出会いの喜びや、活動場所の提供について感謝を口にした。
ぽかぽか陽気の中でおこなわれたクリニックでは、ブリッツボッカの選手たちが、笑顔で基本の大切さを伝えた。4グループにわかれた選手たちが、4つのパートでそれぞれのシチュエーションでの大切なことを学んだ。白熱したのはブレイクダウンを学ぶエリアだ。カイル・ブラウン主将がハンドダミーを持って相手をした。ヒット後に倒れた選手たちをつかみ、なかなか次のプレーへ移動させない。それを放置し、自分だけ次へ向かおうとする仲間に「助けるんだ!」と注意する。低さ、そして正面からまともにヒットしないことの大切さを何度も説いていた。
本郷高校の宮本皓平副将(WTB)は、昨年も感じたことをあらためて確認した。
「僕自身は去年も貴重な経験をさせていただいて、とても感激しています。つい数日前にテレビで見ていた(香港セブンズで活躍していた)選手たちが目の前にいるんですから。皆さん楽しませてくれながら、大事なことを言ってくれる。彼らの技術の高さも感じました。そして、何度も基本、基礎の大切さを繰り返す。自分たちも普段からそこを大切にしていますから、これからも同じようにやっていこうと思いました」
世界の舞台で活躍しているブランコ・デュプレア(166cm)の隣りに立ったら、自分の方が少し背が高かった。
「(体の大きさじゃない。自分たちだって)やれるんだ、って勇気が出ました(笑)。こんな経験をさせてもらっているから、応援しちゃうんですよねぇ、日本代表より…ハハハ。いや、両方頑張ってほしいです!」
現在、今季のセブンズ・ワールドシリーズの通算成績で首位に立つアスリートたちは、今年も少年たちのハートをつかんで帰って行った。