恩返しの気持ちで挑むJTS。岡田恭和[東洋大学/PR]
「なんでもなかった僕が、同期のみんなや支えてくれている家族、スタッフのおかげでここまで来られました。結果で恩返ししたいです」
その言葉に、岡田恭和(おかだ・よしかず)の思いが凝縮されていた。
1月30日、エディー・ジョーンズ日本代表HC主導の若手育成プログラム「ジャパン・タレント・スコッド(JTS)」の参加メンバーが発表され、右PRのリストに名を連ねた。
楕円球と出会いは高校1年時。徳島の脇町高校で競技を始めた。
3年時には高校日本代表候補の第1次メンバーに選ばれ、「もう一つの花園」ことU18合同チーム東西対抗戦に出場したこともある(新人戦は合同チームでの出場だった)。
進学した東洋大でも、1年時から出場機会を掴んだ。プレーヤーとしてだけでなく、人としての成長も実感している。
「大学に入った頃は自分のことばかりでしたが、周りを見て声をかけたり、チームのことを考えて行動できるようになったと思います。東洋大ではゴミ拾いなど、ラグビーとは関係がないところでの凡事徹底を意識している。競った試合などでは、そういう日々の積み重ねが結果に反映されると感じています」
昨季は2年生ながら関東リーグ戦全試合に3番で先発。帝京大との大学選手権3回戦でも背番号3をつけた。
182センチ、110キロと立派な体躯を駆使して、東洋大のスクラムを最前列で支え続けた。
「1年間を通してたくさん試合に出させてもらって、いままでで一番、体も心も成長できました」
もっとも、ラグビーだけに集中できる環境ではなかった。
教職課程を履修しているからだ。
練習拠点である埼玉の川越から、東京の赤羽台のキャンパスを日々往復。授業の都合で練習に参加できない日もあった。
「みんなに練習時間を合わせてもらうこともあるのめ、チームには迷惑をかけてしまうこともある」という。
「でも、練習時間が少ないとか、教職を取っていることを言い訳にしたくはありません。(練習に)入れる時間でみんなとの時間差を埋められるように心がけてきました」
限られた時間の中でも、愚直に努力を重ね続けた。その積み重ねが、今回の選出に繋がったと考える。
「タックル成功率や回数など、スタッツで見た時の数字が評価されたのかなと思います」
JTSの合宿では、意識する存在がいる。同じタイトヘッドPRの八田優太だ。
京産大の新4年生で、同じ徳島出身(城東)である。
「高校の時はまったく歯が立たなかった選手です。いま同じ舞台に立てているので、負けたくないですね」
実績のある精鋭たちが集まったセレクションだ。「僕よりもすごい人たちばかり」と謙遜するが、胸の奥には強い覚悟がある。
選出を報告した際、両親からはこんな言葉をかけられた。
「まだスタートラインに立っただけだから、ここからしっかり頑張りなさい」
その言葉を胸に刻み、1か月半で3度実施される過酷なキャンプに臨んでいる。
「報告した時、僕は喜びの感情が大きかったのですが、両親の言葉で気が引き締まりました。グラウンドの中では一番ハングリーに、出し惜しみせず全部出していきます」
3月9日から最後のJTS合宿が始まる。自身の成長で終わらせるつもりはない。
「高いレベルでラグビーができるので、しっかり成長して、それをチームにも持ち帰って少しでも貢献したいです」
部員、スタッフ、家族…。周囲の支えを忘れず、桜のジャージーを掴みにゆく。
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