タックルが「好き」。筑波大・磯部俊太朗、帝京大撃破へ献身。
 
				ピンチの時こそ力を出す。
筑波大ラグビー部3年の磯部俊太朗は、10月26日、悪天候の栃木・足利ガスグラウンドでひりひりする勝負を味わった。
加盟する関東大学対抗戦Aの4戦目で、大学選手権4連覇中の帝京大を18-14とわずかにリードして最終局面を迎える。
ペナルティーキックを与え、自陣の深い位置で守る。逆転されるリスクを背負うなか、身長190センチ、体重112キロの身体を果敢にぶつける。タックルしては起き上がる。
「最後までやることをやれば…。焦りはなかったです」
徐々に防御網をせり上げた。最後の最後にこそ再びトライラインの近くまで後退したが、そこでも磯部が身を挺していた。
ノーサイド。今季3勝目を挙げた。総じて、身体のぶつけ合いでは複数名での突き刺さりを効かせた。この領域で特に、東京・國學院久我山高出身のLOが持ち味を活かした。
「それが、好きなので」
通っていた東村山市立化成小学校にあったラグビー塾で競技に親しみ始めた頃は、友達とボールを追いかけるのが楽しかった。次第に本格的にプレーするようになり、一気に身長が伸びた高校時代には、タックルが「好き」になっていた。
地上戦で堅陣を作ったほか、空中戦のラインアウトでも相手ボールにプレッシャーをかけた。2年生FLで同じ身長190センチの中森真翔とジャンプし続けた。口をつくのは感謝の言葉だ。
「その同じチームで『仮想(・帝京大)』してもらって、(全体傾向が)頭の中に入っていた。それで、対応できたかなと」
約2週間前に早大に13-39と敗れてからの準備が実った。
「80分間を通して、プラン通りにいけたかなと。早大戦が終わってから接点を(テーマに)掲げてきていて、そこで前に出られた」
4月には23歳以下日本代表としてオーストラリアに遠征。事前合宿は3月からあった。正代表も率いるエディー・ジョーンズヘッドコーチのもと、意識改革を求められた。
「何かが起こった後の次に行くまでの3歩を速くしろとアドバイスいただいて、それを意識しています」
チャンピオンに土をつけたいま、クラブ史上初の大学日本一達成へ決意を新たにする。将来の目標を聞かれれば…。
「日本代表を目指しています。強みのディフェンスを磨いて、アタックでも前に出られるようになりたい」




