【TRC】南アフリカ代表“スプリングボクス”がアルゼンチンを圧倒。怒涛の9トライで首位浮上。

■ザ・ラグビーチャンピオンシップ2025
・9月27日@ハリウッドベッツ・キングス・パーク(ダーバン)
【南アフリカ 67-30 アルゼンチン】
南半球4カ国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」
WOWOWで全12試合を独占放送・配信!
南半球4か国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ(TRC)」第5節、ここまで共に2勝2敗の戦績を残す南アフリカ代表“スプリングボクス”とアルゼンチン代表“ロス・プーマス”が南アフリカのダーバンで対戦した。
前半は互いに圧力をかけ合い、両チームがPGで得点を重ねていく展開が続く。アルゼンチンが3点リードする9-6のスコアで迎えた前半31分、南アフリカがラインアウトモールのドライブからこの試合初めてのトライを奪うと試合が大きく動いていく。
アルゼンチンのキックが大きく伸びてトライゾーンまで到達すると、南アフリカのWTBチェスリン・コルビはグラウンディングしてドロップアウトとした。ここでコルビは中央にいるキッカーにボールを渡す際、バウンドさせてキックパスをする「ミス」をおかしたことで、トライラインドロップアウトが成立して試合が再開した。この動きを見逃さなかったアルゼンチンのCTBサンティアゴ・チョコバレスがキックパスをキャッチ、トライゾーンにボールを押さえて、36分にトライが認められた。
逆転を許した南アフリカであったが、23歳のSOサシャ・ファインバーグ=ムンゴメズルが輝きを放つ。リスタート直後の38分、自陣から右サイドの裏のスペースにキックを放つと、自らキャッチしてそのままトライ。コンバージョンも決めて再びリードを奪った。
アルゼンチンもすぐにやり返す。ペナルティ起点のラインアウトからモールでトライをねらうと、これを阻んだ南アフリカのHOマルコム・マークスがシニカルプレーでイエローカードを受け、ペナルティトライの判定で7点を加えた。
再びビハインドとなった南アフリカだが、数的不利な状況の中でギアを上げる。FLピーターステフ・デュトイのビッグゲインから深い位置に入ると、フェーズを重ねてボールを受けたSOファインバーグ=ムンゴメズルがキレのあるステップで相手を抜き去り、44分に自身2本目のトライを決めた。またもリードを奪い返した南アフリカが25-23のスコアで前半を折り返す。
後半に入っても1人少ない南アフリカが試合を優位に進める。後半3分にSOファインバーグ=ムンゴメズルのキックパスを右のエッジで受けたWTBコルビが汚名返上のトライ(G)をマーク。11分にもトライライン手前のラックからSOファインバーグ=ムンゴメズルが素早いターンで相手を振り切りグラウンディング、ハットトリックトライでリードを大きく広げた。
その後、体力の消耗とパフォーマンスの低下が見られたアルゼンチンを南アフリカが圧倒し、4トライ4ゴールを重ねた。最終スコアは67-30、ダブルスコアの点差をつけた南アフリカが大勝。プレーヤー・オブ・ザ・マッチにはスプリングボクスのテストマッチ史上最多の37点を記録したサシャ・ファインバーグ=ムンゴメズルが選出された。
80分間で9トライを奪った南アフリカは、3トライ差以上で得られるボーナスポイント(BP)1点も加えて勝ち点5を獲得。合計勝ち点を15としてTRCレースの首位に立ち、チーム史上初の大会連覇に近づいた。一方、アルゼンチンは7点差以内の敗戦で得られるBPも取れず。合計勝ち点が9となり、優勝の可能性が消滅した。
両チームは10月4日、ロンドンのトゥイッケナムに場所を移して最終第6節を戦う。同日開催のオーストラリア対ニュージーランド戦(パース)の結果と合わせて、今年のTRC王者が決まる。