【選手コメントで振り返るリーグワン3位決定戦】コベルコ神戸スティーラーズ/「神戸の信念、プライドを見せることができた」李承信

5月31日、リーグワンプレーオフ3位決定戦が秩父宮ラグビー場でおこなわれ、 レギュラーシーズン5位のコベルコ神戸スティーラーズは同2位の埼玉パナソニックワイルドナイツに22―17で勝利し、リーグワン発足以来、最高順位の3位でシーズンを終えた。埼玉ワイルドナイツに勝利したのは、トップリーグ2003-04シーズン以来、21シーズンぶりとなった。
ここでは、共同キャプテンのLOブロディ・レタリックとSO李承信、SH日和佐篤、WTB植田和磨、LO本橋拓馬の声を紹介する。
■LOブロディ・レタリック
チームにとって大事なことは、しっかり自分たちが勝てるのだという、その信じる気持ちを作ることができたということです。
埼玉パナソニックという、今シーズン常にトップ3だったチームに、ここで勝てるか勝てないかということは、自分たちがそのレベルで戦えるのかどうなのか、ということを証明するチャンスだということを、試合前の1週間、チームで話をしていました。それが戦ううえでのモチベーションになったと思います。
ディフェンスでも、自分たちがどれだけトップチームに対して守り続けることができるかというのを見せられたので、来シーズンにつながると思います。
■SO李承信
今季は神戸市が阪神淡路大震災から30年という節目の年ということで、チャンピオンを目指してしてきたんですけど、優勝という目標には至らなかったですが。こうやってシーズンを笑って終えられることをうれしく思います。
何よりも、ここまでサポートしてくれたファンであったり、会社であったり、そんな方々が笑顔で終えてくれているならば、自分たちもすごく満足な気持ちでいっぱいです。
(終盤に埼玉WKの攻撃を阻んだトライライン前のディフェンスについて)
FWのハードワークが本当にすべてだったと思います。「絶対にゴールラインを割らせない」という気持ちが伝わってきましたし、何よりもチームのために、ただ勝利だけじゃなくて、その先の、信念というか、神戸のジャージーを着る上でのプライドっていうものをグラウンドで見せることができたのではないかと思います。
(勝利を分けたポイントは)
まずは風が強いことと、雨が降っている中で、前半は無理をせずにキックのところでいいプレッシャーかけることができました。セットプレーもフォワードも安定してプレッシャーかけてくれていました。ディフェンスのところとアタックのところで、しっかりやるべきことを一つひとつ遂行できていたと思います。
チームとしても、キックを受けて、どんどんプレッシャーをかけていこう、というふうに同じページを見ることができていました。ペナルティーもありましたが、前節と比べると、大きく成長できたところじゃないかなと思います。
フレッシュな若い選手も出場して、常にトップの位置にいる相手との試合を、このような大舞台で経験できたというのは、来年につながると思います。
目指していたところには届かなかったので、もう1回、自分たちのことを見直して、来シーズンの準備をしていきたいです。
■SH日和佐篤
今季、まずプレーオフにいく権利を勝ち取ることができて、集中力高く3週間を過ごすことができた。そこは本当に良かったです。
(リザーブから出場した若手選手たちも)それぞれがベストのパフォーマンスを出そうということで1週間取り組んできて、それが試合に出たと思います。中堅、若手、ベテランがうまいこと混ざって、いい文化ができたらといいなと思っています。
(埼玉WKに21シーズンぶりに勝ったことは)ひとつの自信になると思いますし、20年勝っていなかったという苦手意識というのは払拭できるのではないかなと思います。
試合終盤のディフェンスは、ゴールラインを背負いながら、本当に素晴らしかった。パナソニックさんのアタックもすごくよかったですけれど、集中力高く、意識高くディフェンスができていたのは誇らしく思いました。
シーズン最後の5試合は、本来の神戸のいいアタックができていたと思いますし、このような厳しい試合を勝ち抜くという強さも、チームの成長を感じました。
来季に向けては、とりあえず少し休んで、今年のレビューを良かったところ、悪かったところを家族と一緒に振り返りながら、またいいシーズンを迎えられるようにやっていきたいです。
■WTB植田和磨
パナソニックに勝ったのは21シーズンぶりとのことで、ほんますごい。こういう場に立ち会えてうれしいと思いますし、なにより、シーズン最後の試合を勝ちで終われたということが、すごく大きいことかなと思います。
(本橋)拓馬がこの試合がデビュー戦で、こうやって同期のみんなで試合ができるっていうのは、めっちゃ幸せだと思いました。大学で敵だった同士、仲良く切磋琢磨しあって、今こうやって一緒の舞台に立てている。今日そういう意味では、同期が5人も試合に出場できたことは、とてもうれしかったです。
(対面だった埼玉WKのWTBマリカ・コロインベテについて)
自分がコロインベテ選手にフィジカルでいっても絶対勝てないですし、日本人らしくステップワークだったりとか、キック使ったりだとか、そういう面で対応しようとしていました。実際はそんなにマッチアップする機会がなかったのですが、コロインベテ選手が上がってきたところにキックを蹴って、うまいことスペースは取れたんで、そういう面では良かった点もあったかなと思います。
デビュー(4月12日・第15節 浦安DR戦)してここまで7試合出させてもらって、やっぱり自分自身の実力をすべて出した試合っていうのはまったくないと思うので、全然満足できてないですし、もっともっと自分の実力を出せばもっと活躍できる場面もあったと思います。
来季はこの経験を生かして、リーグワンの強度に慣れたということを力にして、来シーズンはまずは神戸でレギュラーをとることを目指します。神戸でレギュラーをとることができれば、自然と日本代表も見えてくると思いますし、そうやって自分の目標を一つひとつ、かなえていきたいと思います。
■LO本橋拓馬
(リーグワンデビュー戦でした)
前日の夜からめちゃくちゃ緊張したんですけど、いざグラウンドに立ってみると、やるべきことは分かっていたので、あとは思いっきりできました。(後半からの出場で)相手のパナソニックさんが疲れていた部分は多少あると思うのですが、そのなかでも、自分の強みとしているフィジカルの部分で勝負できたことは、すごくうれしいです。僕としては、来シーズンにつながるボールキャリーができたかなっていうのはあります。この部分で僕は勝負していかないといけない、と思っています。
(同じポジションのブロディ・レタリック選手について)
ニュージーランドのすごい先輩です。一緒にラグビーができて、まさか、という気持ちです。プレーは、もうシンプルにすべてがすごいです。チームで一番走りますし、体も張りますし、一番声も出す。ニュージーランドのトップレベルでやってきたことを実感しています。
今季はアーリーエントリーという立場で、1キャップで終わりましたが、来季はしっかりとオフシーズン、合宿と、自分の強みを前面に出して、来シーズンは最初からメンバーに絡むことができるというのを目標に、頑張っていきたいと思います。
やっぱり自分のいいところをもっと伸ばさないといけなので、ボールキャリーも一つひとつもっと丁寧に、もっといい勢いを与えれるようにしたいです。その強みの部分をもう1段階、2段階としっかり伸ばしていきたいと思います。