【リーグワン D2/D3入替戦】シーウェイブス、ラスト20分に地力を発揮。スカイアクティブズに連勝で残留決める。

今季ディビジョン3で初優勝を果たしたマツダスカイアクティブズ広島のダミアン・カラウナHCが、試合後の会見で正直に述べた。
「ディビジョン2とディビジョン3では、ゲームのインテンシティ(強度)という点で大きな差がある。それを実感した試合でした」
リーグワン初年度の2022シーズンはともにディビジョン2で戦った両者の入替戦第2戦は、日本製鉄釜石シーウェイブスが第1戦(33-14)に続いて51-24で勝利し、ディビジョン2残留を決めた。
広島県のBalcom BMW Stadiumで12時にキックオフされたこの試合。立ち上がりは地元で巻き返しを期すスカイアクティブズが気迫みなぎるプレーで主導権を握る。
マイボールキックオフからディフェンスで圧力をかけて相手陣で攻撃機会をつかむと、ラインアウトのサインプレーでポイントをずらしてモールを形成。一気に押しきって開始4分に先制トライを獲得した。
PGで3点を返された後の11分には、ふたたびゴール前ラインアウトからFW勝負を挑む。近場をパワーでこじ開けて、最後はLOアンドリュー・デビッドソンが右中間にグラウンディング。12-3と狙い通りに先行した。
第1節の19点リードがあるとはいえ、シーウェイブスにとっては緊張感が高まる展開だ。しかし、ディビジョン2のタフな戦いを通じて培ってきた地力を発揮するのは、ここからだった。
まずは18分、ラインアウトからテンポよく強いランナーを縦に走らせてたたみかけ、PR松山青が中央に飛び込んで反撃開始。24分にはSOミッチェル・ハントのオフロードからFLベンジャミン・ニーニーが豪快に駆け抜け、17-12とあっさりゲームをひっくり返す。
さらにハントの約40メートルのPGで3点を加えると、36分にもラインアウトモールでFL河野良太がフィニッシュ。39分に一瞬の防御の乱れを突かれスカイアクティブズのNO8ジャクソン・ピューにトライを返されたものの、27-17と10点リードでハーフタイムを迎えた。
後半。風上に回ったスカイアクティブズが相手陣で攻める時間を増やし、15分に途中出場のCTBノックス クリントンがパワープレーでポスト右にねじ込んで3点差に詰め寄る。
ふたたびフィールド上の空気が緊張感を帯びる中で迎えた、ラスト20分の勝負どころ。ここで底力を見せたのは、またしてもシーウェイブスだった。
31分、相手陣での連続展開からCTBトンガ モセセが抜け出して中央に押さえると、34分にはSOハントの突破をサポートしたCTB村田オスカロイドが連続トライをマークする。
これでほぼ勝利を決定づけたシーウェイブスは、37分にもSH南篤志がトライを追加。最後は今季限りでチームを離れるLOハミッシュ・ダルゼルが有終のPGで締めくくり、51-24でフルタイムとなった。
第1戦を上回る完勝で、来季もディビジョン2で戦う権利を手にしたシーウェイブス。今季限りで退任する須田康夫HCは「フィジカルの強みはよく出せていた。終盤にスコアを重ねられたのは、そこがボディーブローのように効いていたからだと思う」と語り、「今季築いてきたベースの部分は、来シーズンにもつながる」と期待の言葉で最後の会見を締めくくった。