
【サクラフィフティーン】今までで一番良い準備ができている。レスリー・マッケンジーHC
▶勝負は初戦のアイルランド戦
4月には北米に遠征し、アメリカ代表(世界ランキング9位/昨夏国内で1分1敗)との試合を予定している。
「自分たちの現状を確かめる良い機会になる」とレスリーHC。帰国した5月には合宿とアジアチャンピオンシップ2試合(カザフスタン、香港)を福岡でおこない、6月には3週間の菅平合宿、7月は国内最終合宿の間にW杯でも対戦するスペイン代表と2試合を戦う。
同月下旬には大会登録メンバー32人が発表される予定だ。
「昨年の今頃はBKがセブンズシリーズのための練習をしていました。それでは体格も変わるし、スキルの使い方も全く違います。ただ今年は協会が所属クラブの合意を取ってくれたおかげで、15人制のためのトレーニングの時間を割くといったことが叶っています」
チケット販売数は前回大会の50%増、すでに22万枚以上が売れ、女子ラグビー最高の祭典となるW杯イングランド大会で、世界ランキング11位のサクラフィフティーンはプールCに入った。
アイルランド(6位)、NZ(3位)、スペイン(13位)の順に戦う。
レスリーHCは日本時間の深夜におこなわれた抽選会を、うっかり見逃したことを明かした。
「本当に楽しみでまったく眠れなくてずっと起きていたのですが、くじが引かれる10分前に寝てしまった。終わった20分後に目を覚ましたときはガッカリしましたが、プールの相手を見てすごくワクワクしました」
上位2チームが決勝トーナメントに進むフール戦を勝ち抜くためには2勝が必須。「現実的に考えると、アイルランドとスペインが大きなターゲット」。
アイルランドとは2022年8月に国内で2試合戦い、一度は勝利を挙げている。アイルランドは昨年のWXVでNZを破る快挙を成すなど勢いはあるが、長田主将は「(当時の勝利から)良いイメージはある」。
レスリーHCも、「W杯にわれわれはただ参加するために行くわけではない。そこで世界を相手に戦うコンペティター(競争相手)として向かう」と語気を強める。
「(初戦の)アイルランドに勝つことができれば、それ以降は何だって起こすことができるという気持ちでやっていけるでしょう」
選手たちへ最大限の賛辞を送り、自言を口にした。
「今までで一番いい形で準備ができています。選手たちがお互いのために向き合い、覚悟があり、タフであり、やる気に満ちている。その姿勢はこれ以上望めないほどのものを見せてくれています。
ここまでの成長度合い、学ぶスピードには興奮させられます。日本では代表史上一番キャップ数も多く、経験値も高いスコッドが揃っています。前回大会は私も初めてHCとして経験するW杯でしたし、チームとしてどれだけ成長したかを見せられる大会になると思います」
(文/明石尚之)
※ラグビーマガジン5月号(3月24日発売)の「女子日本代表特集」を再編集し掲載。掲載情報は3月16日時点。