日本代表 2025.04.26
【サクラフィフティーン】今までで一番良い準備ができている。レスリー・マッケンジーHC

【サクラフィフティーン】今までで一番良い準備ができている。レスリー・マッケンジーHC

[ 編集部 ]

▶レスリー流のチームづくり。

 昨年のWXVではFWの進化に加え、チームが手応えを感じていたのは、試合に向かうまでの準備だったという。

 長田いろは主将は「コンタクトのあるディフェンスの練習をしたときに、1試合戦ったくらい熱い練習ができた日がありました。みんなで高め合っていこうという気持ちが出ていて、お互いにチャレンジできていた」と話す。

 レスリーHCにその真相を訊くと、こう返ってきた。
「われわれのプログラムの強みは、あえてリーダーグループを固定せず、われわれの能力をどう伸ばすか、どういうマインドセットを作るか、どういうワークをするのかをチーム全員が理解していることだと思っています。

 それぞれの選手が試合や練習のレビューをし、プレビューの資料を各々が準備して考えさせることで、15人制のラグビーというスポーツの理解を深める教育が大切だと考えました。携帯で15秒の好プレーを見るだけでは深くラグビーを理解することはできません。特に若い世代はあまりラグビーの試合を見ていなかったり、自分で分析することに慣れていなかったり、ラグビーを話すことをあまりしません。

 私がHCとしてディテールを教えるのは簡単です。でも、ラグビーは試合になれば選手間で解決策を見出し、同じ絵を全員で見なければならない。われわれはブログラムの最初の数年間を、そのラグビーの理解をいかに早く深められるかに注力してきました。

 まず、元男子日本代表のアナリストを務めた浜野俊平さんがその基盤を作ってくれました。かなり初期の段階の新たな武器であるモールから選手たちにスポーツコード(映像分析ソフト)の使い方を教え、アナリストのレベルでラグビーを見る教育をしてくれました。
 また、アタック、ディフェンス、セットプレー、コンタクト、トランジションをそれぞれレビューするグループに分け、試合ごとあるいはキャンペーンごとにローテーションさせました。全員がすべての領域を網羅できる状況を作るためです。

 ただ、ここからはそれぞれに責任を課していくフェーズです。そこで、WXV前に追加したのが『プレップ』(プレパレーション=準備)グループでした。テクニックや戦術がどうなっていて、次どうするかを考えるのはどんどん得意になっていきましたが、プレップについては盲点でした。いかに自分たちが日々の練習を激しくやれたか、クオリティを高められたか、正しいアティチュードでやれたかをレビューする機会が必要でした。

 メインの担当を吉村乙華と谷口琴美に任せたのは、2人とも妥協を許さないからです。チームをいかに良くするか、について妥協せず、発言を恐れない強い性格です。女性として毎日、厳しい発言、相手にとって耳が痛い発言をするのは特に日本では難しいと感じています。
 ただ、乙華はとても良いリーダーシップを備えている。そこにチャレンジしてもらうことで、長田いろはやSOの大塚朱紗のプレッシャーを軽減するようなサポートができていたと思います」

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