国内 2025.02.09

【リーグワン】キューデンヴォルテクスがレッドハリケーンズの快進撃を止める。今季3勝目を挙げ3位に浮上。

[ 編集部 ]
【リーグワン】キューデンヴォルテクスがレッドハリケーンズの快進撃を止める。今季3勝目を挙げ3位に浮上。
ミッドフィールドで攻守に存在感を示したCTB古城隼人(撮影:佐藤真一)



 開幕4連勝と今季快進撃を見せているレッドハリケーンズ大阪が、ここまで2勝2敗の九州電力キューデンヴォルテクスをヤンマースタジアム長居に迎えた一戦。2シーズン前のD3時代から数々の好ゲームを繰り広げてきたライバル同士の激突は、やはり今回も熱のこもった接戦となった。

 試合は開始直後から目まぐるしく動いた。まずはキューデンヴォルテクスがマイボールキックオフから身上の出足鋭い防御で圧力をかけWTB萩原蓮の先制PGにつなげれば、レッドハリケーンズも直後のターンで相手陣22メートル線内に攻め込み、5分にFB山口泰輝のショットで3点を返す。

 この日最初のトライが生まれたのは10分。キューデンヴォルテクスが相手の反則に乗じて右コーナーでマイボールラインアウトのチャンスをつかむと、モールを押し込んでHO王鏡聞が右中間にグラウンディングする。

 しかしレッドハリケーンズもすぐ反撃に転じ、14分にゴール前の連続攻撃からLOエリオット・ストークがラックサイドを持ち出してトライ。23分にはCTBヘンリー・タエフのビッグタックルでこぼれたボールをWTB吉澤太一がひろい上げ、左中間へ走りきる。

 流れが傾くかと思われた場面だったが、キューデンヴォルテクスはここでよく踏みとどまり、FWが粘り強く近場を前に出てトライラインに迫る。すると30分にゴール前のラックでレッドハリケーンズのタエフがシニカルな反則をおかし、ペナルティトライに。さらにこのプレーでタエフにイエローカードが提示される。

 このチャンスにスコアを重ねたいキューデンヴォルテクスだったが、38分に攻め込んだ場面で逆にLO江里口真弘が危険なプレーによりイエローカードを受ける。結果的には17-17で前半を折り返すこととなった。

 迎えた後半は、一転して膠着する時間が続く。互いに好機を作るものの相手の堅守を崩しきれず、試合はそのままラスト20分の勝負どころに突入した。

 ようやく均衡が崩れたのは21分だ。キューデンヴォルテクスが相手陣10メートル線付近のスクラムでペナルティを獲得すると、WTB萩原が約40メートルのPGを成功。しかしレッドハリケーンズも28分にFB山口が正面のPGを通し、すかさず追いつく。

 ラスト10分はどちらも残る力を振り絞る死闘となる中、レッドハリケーンズは38分に山口が約50メートルのロングPGを狙うも、わずかにショートで勝ち越しはならず。逆にキューデンヴォルテクスがそこから盛り返し、ロスタイムに入って敵陣でフェーズを重ね相手防御をゆさぶる。

 そして迎えた43分。ラックサイドでパスを受けたFLコルビー・ファインガアが力強く縦へラインブレイクし、最後は内をサポートした途中出場のHO村川浩喜がトライゾーンへ。

 豊田自動織機シャトルズ愛知から移籍後、初のメンバー入りを果たした33歳のベテランが大仕事をやってのけ、劇的な勝ち越しトライでキューデンヴォルテクスが27-20で今季3勝目をつかみ取った。

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