国内 2023.12.03

100周年の早明戦を制したのは明治大 早稲田大は終盤に5トライ挙げるも反撃届かず

[ 編集部 ]
100周年の早明戦を制したのは明治大 早稲田大は終盤に5トライ挙げるも反撃届かず
後半、タックルをかわしてトライを決めた明治大のWTB安田昂平(撮影:松本かおり)


 大学ラグビー伝統の戦いである「早明戦」は今年で100周年を迎え、早稲田大学と明治大学が12月3日に国立競技場で激突。明治が58ー38で制し、99回目となったライバル対決の通算成績を42勝55敗2分けとした。

 この結果、明治は関東大学対抗戦Aグループで6勝1敗の2位、早稲田は5勝2敗で同3位となり、次は第60回全国大学ラグビー選手権大会に挑む。

 先制は明治。前半5分、敵陣深くに入ってラインアウトからモールで前進し、ボールを持ち出したHO松下潤一郎がショートサイドを突いてゴールラインを割った。17分にはCTB平翔太が40メートル超のペナルティゴール(PG)を成功。前半、敵陣でプレーする時間が長かった明治は23分にもラインアウト・モールでトライを狙いに行き、またしてもHO松下がインゴールに突っ込んでリードを広げた。

 その後、早稲田にPGを許したものの、明治は31分、WTB海老澤琥珀などの好走で再び敵陣22メートルライン内に入ると、11フェイズを重ね、右外でボールをもらったWTB安田昂平がタックルをかわしてフィニッシャーとなった。明治の勢いは止まらず、39分にもゴールに迫ってPR為房慶次朗がピック&ゴーでトライを決め、コンバージョンも成功で27ー3で折り返しとなった。

 明治は後半途中まで守りが堅く、ブレイクダウンではFL森山雄太などが奮闘。46分(後半6分)にはSO伊藤耕太郎がキックチャージからトライを決め、60分にはFB池戸将太郎もファイブポインターとなり、大差をつけた。

 一方、38点ビハインドとなった早稲田は67分、敵陣深くに入ってブレイクダウンからボールを展開し、キャプテンのFB伊藤大祐から飛ばしパスをもらったWTB矢崎由高が左隅にトライを決めた。70分にはFL安恒直人がハーフウェイから突破してサポートについたHO佐藤健次がゴールへ走りきった。その後、再び突き放されたものの、早稲田は74分にもトライを奪い返して食らいつき、76分にはWTB矢崎がゲインしたあとパスをもらったFB伊藤がハーフウェイからゴールへ走りきり、勝利への執念を見せた。そして、79分にもキャプテンの伊藤が自陣深くから抜けてビッグゲインで会場を沸かせ、サポートもついてHO佐藤がゴールに持ち込み、CTB野中健吾のコンバージョンでも着実に得点を重ね、8点差に詰めた。

 しかし、明治はロスタイム、敵陣深くのブレイクダウンでプレッシャーをかけてボールを奪い返し、SH登根大斗がトライを決め点差を拡大。その4分後にはラインアウトからのムーブでWTB海老澤が抜けて得点し、勝利を決定づけた。

 勝った明治の神鳥裕之監督は、「最後まであきらめない早稲田さんのアタックは非常にすばらしかったし、しっかり勝ちきれたことは自分たちの選手もほめてあげたいと思う。最後は苦しい時間帯だったと思うが、流れを取り戻せたのは選手たちの頑張りだと思う。このあと、選手権は負ければ終わりという厳しい戦いになってくる。80分間しっかり明治の時間を作れるようなチームになれるよう、さらに成長したい」とコメントした。

PICK UP