女子 2023.11.22

第3回『六智戦』(関東学院六浦女子×石見智翠館女子定期戦)
リーグワンプレシーズンマッチ前座として花園で開催!

第3回『六智戦』(関東学院六浦女子×石見智翠館女子定期戦)<br>リーグワンプレシーズンマッチ前座として花園で開催!
花園で『六智戦』をおこなった関東学院六浦女子と石見智翠館女子


 第3回『六智戦』が11月11日、東大阪市花園ラグビー場にて花園近鉄ライナーズ vs. 三重ホンダヒートのプレシーズンマッチの前座試合として開催された。
 試合はリーグワンさながらのBGM付き電光掲示板での選手紹介に始まり、「トラ〜イ!!」とプロのナレーションにJKラガールは更に弾け躍動する。一進一退のゲームを制し26−12で勝利した関東学院六浦が『六智戦』の通算成績を2勝1敗とリードした。

 ここ数年の日本女子ラグビーの急成長があるように、この『六智戦』でもスーパープレーが随所に見られた。スクラム、ラインアウト、ブレイクダウン等のヒットインパクト、キックやパススキルの向上は目を見張るものがあった。
 特にオフロード系の高度なスキル、スクラムコンテストでのせめぎ合い、男子顔負けのハードタックルはラグビー通で知られる花園ラグビー場のおじさんたちをも唸らせ沸かせた。「僕がコーチしている大学生よりも“気”も“スキル”もある」と。

 試合終了後は、花園近鉄ライナーズの粋な計らいでチームディレクターの北村一真氏からプレイヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)として関東学院六浦7番の高橋みひろ選手と石見智翠館3番の八尋瑛選手にライナーズのオーセンティックジャージーが贈られた。
 その後、ラグビーワールドカップ2019ルームで「お弁当」でのアフターマッチファンクションで交流を図り、第3回『六智戦』はノーサイドとなった。

花園近鉄ライナーズチームディレクターの北村一真氏からプレイヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)の関東学院六浦7番の高橋みひろ選手と石見智翠館3番の八尋瑛選手にライナーズのオーセンティックジャージーが贈られた

 彼女たちの笑顔は最高潮であった。
 公式戦とは違った雰囲気。何よりセブンズの大会では常にしのぎを削る相手との「15人制」ゲームでは、戦略からポジション、練習内容も変わってくる。そして、スクラムやラインアウトのセットプレーも試合を左右する。関東学院六浦の今田スクラム専任コーチのスクラム練習に彼女らは悲鳴をあげたとの声も聞いた。
 今年も終わってみれば「15人制はやっぱり楽しい」「15人でできるのが楽しい」との声を彼女たちの口から聞いた。まさに15人制ラグビーの醍醐味である。
 高校女子15人制の全国大会が開催される日はいつ来るのか。この『六智戦』を通して女子15人制の底上げにつながっていることを願う。それは日本女子ラグビーの発展とも言える。

 冠スポンサーであるスモカ歯磨株式会社の藤野和仁代表取締役社長は「『六智戦』の交流が続き女子ラグビー発展に貢献できれば嬉しい」と語る。
 スポンサー各社も日本女子15人制ラグビー発展を願う元ラグビーマンたちである。

アフターマッチファンクションで相手校のMVPを選び、冠スポンサースモカ歯磨株式会社藤野社長からプレゼントが贈られた。関東学院六浦13番の齋藤紗葉選手、石見智翠館の10番でキャプテンの野口明彩陽選手

 素晴らしいゲームの一方で今回の『六智戦』で特に印象に残ったのが、彼女らが発した「感謝」である。
 『六智戦』を開催するにあたり多くの方の支援があることへの「感謝」を彼女らは口を揃えて言う。
 招待試合として対応してくれた花園近鉄ライナーズへの「感謝」。“聖地”花園ラグビー場で試合できることへの「感謝」。第1回から毎年支援してくれているスポンサー企業への「感謝」。
 何より大好きなラグビーをさせてくれている両親への「感謝」。そして指導者への「感謝」。いろいろな形での支援のもとに成り立っていることを、彼女らは肌で感じていた。

■関東学院六浦 キャプテン 上野花珠選手
まず、このような場を提供してくださった全ての方に感謝いたします。ラグビーをやっている人は誰もが憧れる花園という地でプレーをすることができ、最高な思い出になりました。また、石見智翠館高校の選手と交流や普段プレーしない15人制の試合を通して自分自身の成長、伝統となることを願っています。ありがとうございました。

■関東学院六浦 バイスキャプテン 細合智羽選手
本年も六智戦を開催していただき、心から感謝しています。花園ラグビー場という誰もが憧れる舞台で15人制の試合ができたことは、一生忘れることのない私たちの大きな経験です。私自身、選手として15人制に力を入れたいと思っており、そのような選手にとって15人制の試合が増えることはモチベーションになります。また、15人制で活躍するチームメイトの姿も見ることができ、さらに女子ラグビーの15人制を発展させたいと感じました。改めて、六智戦開催にあたりサポートしていただいた企業の皆さん、本当にありがとうございました。

■関東学院六浦 平野ちひろ選手
高校1年生の時に定期戦が始まって以来、毎年参加させていただき、今回で3回目でした。花園という大きな舞台で試合ができたことは、一生忘れません。たくさんのスポンサーの方々のサポートで開催されることをありがたく思っております。また、今回の六智戦は、両校の3年生にとって引退試合でもありました。3年間共に歩んできたチームメイトやコーチ、試合で顔を合わせる他チームの仲間、日々の生活を支えてくれる両親への感謝の気持ちを体現できた試合になりました。

■関東学院六浦 3年生保護者
花園という舞台でプレーをさせていただき、親子共々感動しています。このような機会を作っていただきました関係者の皆様方に大変感謝しております。ありがとうございました。関係者の方々のご尽力で六智戦が開催されたこと保護者一同、嬉しく思っています。これからも仲間たちと切磋琢磨し、六智戦を通して女子ラグビーを盛り上げてほしいと思います。ありがとうございました。

■石見智翠館 キャプテン 野口明彩陽選手
3度目の六智戦を開催してくださり本当にありがとうございました。ラグビー関係者なら誰もが憧れる花園という舞台に立ちプレーできたことで今まで支えてくださった先生方や保護者さんに感謝を表すことができたと思います。この六智戦が女子ラクビー発展によりいいものになるようにレベルを高めていきたいです!

■石見智翠館 FWリーダー 萩原凛選手
高校ラグビーの聖地、花園で試合をさせていただいたことにとても感謝しています。3年生にとっては今まで共にプレーしてきた仲間や指導してくださった先生方への感謝を伝えられる大きな機会にもなりました。この六智戦が女子ラグビー界の更なる発展につながることを願っています。

■石見智翠館 3年生保護者
先制トライをした後の、みんなの笑顔にグッときました。今年は思い通りにならないことが多く、笑顔を見る機会が少なかったので、3年生の引退試合でとびっきりの笑顔が見られて嬉しかったです。この定期戦に関係されたすべての皆様に感謝しています。

 その『感謝』の恩返しは、これから社会へ大きく飛び立つ彼女たちの成長であって欲しいと、実行委員長のヂョン小川さんは願ってならない。


※ 六智戦とは
関東学院六浦高校女子ラグビー部と石見智翠館高校女子ラグビー部の15人制定期戦で2021年から開催されている。六浦の『六』と智翠館の『智』をもじり『むっち戦』と呼んでいる。

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