海外 2023.11.22

木村伊吹、NZ・マヌクラでエンジョイ。ラグビーとマオリ文化、生き方を学び中

[ 編集部 ]
木村伊吹、NZ・マヌクラでエンジョイ。ラグビーとマオリ文化、生き方を学び中
登校初日の様子。左からクリスティーナさん、木村伊吹選手、リアーナさん、ホストシスターのアナイアスちゃん、マケレティちゃんと、ネイサン校長



 パッションはエナジーを生む。若者は海を越えた。
 木村伊吹(きむら・いつき)は高校2年生。小学5年生の時、福岡・糸島市にある伊都ヤングラガーズでラグビーを始め、九州産業大学附属九州高等学校に学ぶ。

 週2日は放課後に九州産業大学でトレーニングをし、所属チームの福岡レディースでプレーする。
 7人制がメインで、スクラムハーフ、スタンドオフをプレーする。

 木村は現在、ニュージーランド(以下、NZ)のマヌクラ(日本の高校にあたる教育機関)に留学している。
 きっかけは、2023年度のサニックスワールドユースで対戦したからだ。「ラグビーでレベルアップできる環境へ留学したい」とし自分でマヌクラ関係者にアプローチし、留学が実現した。

マオリ語と日本語での挨拶を互いに教えている

 パーマストンノースにあるマヌクラ高校へのラグビー留学は、2023年11月から始まった。
 留学期間は3か月。共学のマヌクラに通い、ラグビー/英語/マオリ文化をメインに学んでいる。

 同校はマオリ文化が強く、マオリ語が主言語として使われている。一般的なNZへの留学先とは違い、珍しいケースだ。

マヌクラの友だちと

 マヌクラのコーチ陣は充実している。
 現役時代は15人制、ラグビー・リーグ、タッチラグビーで女子NZ代表としてのプレー経験を持つクリスティーナ・スー(Kristina Sue)コーチと、そのパートナーでもある女子7人制NZ代表、ラグビー・リーグ、ネットボールで活躍したリアーナ・フェリス(Riharna Ferris)コーチ兼トレーナーの影響が大きい。

 ここ数年はNZ女子ラグビー界の同カテゴリーで実績を残している。
 2022年度は7人制/15人制の全国大会の両方で優勝。2023年度のサニックスワールドユースに出場し、2023年度の15人制では決勝戦で強豪ハミルトンガールズ高校に31−0の大差をつけて優勝を決めた。

 現在は、12月に行われるCondor 7’s(コンドアセブンズ)での2年連続の優勝を目指して厳しい練習をおこなっている。

 同チームにはスキルが抜群な選手が揃っているわけではない。しかし、昨年度、今年度と優勝経験のある選手たちと過ごすことは、木村にとって大きな財産になる。
 マインドセット。激しさ。一つひとつのプレーの質で、周囲のレベルに追いつこうとすることで成長する。

 卒業生の多くが、現在女子スーパーラグビー、州代表などのトップレベルで活躍中だ。
 現在、浦安D-Rocksで活躍するオテレ・ブラックは、卒業生のひとりだ。

 ホストファミリーは、クリスティーナさん、リアーナさん、娘のマケレティちゃんと、同じくラグビー部でプレーしているアナイアス。5人で一緒に暮らしていることもあり、ラグビー漬けの留学生活だ。
 クリスティーナさんは、女子マナワツ州代表の7人制コーチも務めている。木村に州代表選手として練習し、プレーする機会も与えてくれた。

マナワツ州代表で出場した大会後のチーム写真
大会には背番号7で出場した

 マナワツ州代表ではブラックファーンズの若手有望株でハードタックラーのレイラ・サエ(Layla Sae)や、スーパーラグビー、州代表選手たちとともに 11月18日に北島ネイピアでおこなわれた『Duavataセブンズ』に参加した。
 ホークスベイ州代表、ワンガヌイ州代表と2試合ずつ、計4試合に出場。そのうち2試合にフル出場し、見事優勝に貢献した。 

 木村は将来、日本代表でのプレーを目標にしている。
「留学期間中は、NZの女子プロラグビー選手と、日本の女子ラグビー選手の、プレーヤーとしてのキャリア後の選択肢について学びたいです」と話す。

 肩にケガを抱えている。それでもラグビーに関わりたい気持ちは強い。
「プレーヤーとしての道と、国際レフリーとしての道を選択肢に日々努力し、プレーヤーとしてだけでなく、コーチングやレフリングも含めたラグビー文化について理解を深めたいと考えています」

 11月25日(土)には、再びマナワツ州代表として『Central Region Sevens』に参加する予定。
 経験値がどんどん高まっている。

左からホストファミリーで一緒に戦ったリアーナ・フェリス、コーチのクリスティーナ・スーさんと木村伊吹


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