反省重ね自信もつけながら準々決勝へ　20年ぶりのW杯制覇を虎視眈々と狙うイングランド

　20年ぶりのラグビーワールドカップ制覇まで、あと3勝。
　2023年大会前のテストマッチは苦戦を続け、プールステージ敗退もありえると心配されたイングランド代表だが、アルゼンチン代表や日本代表などと戦ったプールDを全勝で通過し、準々決勝進出となった。
　しかし、先週のサモア代表戦は油断があったか、ミスが多く1点差の辛勝となり、HOジェイミー・ジョージは「我々のエナジーレベルは低かった。正直に言って、許しがたいことだ。そこから学んだことは間違いなくあった。まったく違うイングランド代表が準々決勝のピッチに立つだろう」とコメントした。

　現地時間10月15日にマルセイユでおこなわれる準々決勝では、フィジー代表と激突する。過去7勝1敗と大きく勝ち越している相手だが、その1敗は今夏のテストマッチで喫したもので、そのときの教訓もこのノックアウトステージで活かす。

　スティーブ・ボーズウィック ヘッドコーチは、先週のサモア戦から先発メンバーを2人替え、4つのポジション変更をおこなった。

　イングランド代表歴代最多得点者となったキャプテンのオーウェン・ファレルは10番をつけ、12番にはパワフルなマヌ・トゥイランギが入る。SOでスタートするファレルがSHアレックス・ミッチェルと先発ハーフ団を組むのは初めて。ちなみに、ファレルがインサイドCTBで先発した場合のイングランド代表のテストマッチ勝率は74％であるのに対し、SOで先発したときは64％というデータがある。

　サプライズは、SOでプレーすることが多いマーカス・スミスが15番をつけてテストキャリアで2度目となるFBでの先発となる。プールステージのアルゼンチン戦と日本戦では身長196センチのフレディー・スチュワードが15番を任されていたが、フィジーは今大会あまりキック戦術を活用していないため、指揮官はハイボールに対する能力を強みとするスチュワードではなく第2のプレーメーカーになれる175センチのスミスを起用し、ディフェンス面で大きなプレッシャーがないなかで多くの利点があると信じている。

　FWでは、ボールキャリー（37回）とタックル（44回）数がチームトップであるNO8ベン・アールが注目選手のひとり。ディフェンス突破でも上位に顔を出すハードワーカーだ。
　BKでは、イングランド代表歴代2位のトライゲッターであるWTBジョニー・メイの走りにも期待がかかる。

　キャプテンのファレルは準々決勝を前に、「興奮している。あまり浮き沈みしないように努めながら、良い一週間を過ごした。チームはここまで頑張ってきた。積み上げてきたものをキックオフから出して、最高の結果をつかみたい」とコメントした。

＜イングランド代表　準々決勝 登録メンバー＞
1．エリス・ゲンジ
2．ジェイミー・ジョージ
3．ダン・コール
4．マロ・イトジェ
5．オリー・チェサム
6．コートニー・ロウズ
7．トム・カリー
8．ベン・アール
9．アレックス・ミッチェル
10．オーウェン・ファレル（主将）
11．エリオット・デイリー
12．マヌ・トゥイランギ
13．ジョー・マーチャント
14．ジョニー・メイ
15．マーカス・スミス

16．セオ・ダン
17．ジョー・マーラー
18．カイル・シンクラー
19．ジョージ・マーティン
20．ビリー・ヴニポラ
21．ダニー・ケア
22．ジョージ・フォード
23．オリー・ローレンス